不思議の国のアリス17「アリスの気を引くために、牡蠣の不幸話をする。」
ゴムボールのように跳ねて踊る双子のトゥイードルが、一緒に遊ぼうとアリスを誘っています。
If you stay long enough, we might have a battle.
アリス「もし君が十分長くいてくれた、俺たちは決闘するかもしれない。」
従位接続詞のif(もし~なら)を使った副詞節が主節を補足しています。
⇒「従位接続詞ifとは」
このセリフのhave a battleは「決闘する」という意味です。トゥイードルダムとトゥイードルディーの童謡の歌にも彼らがガラガラをかけて決闘する歌詞が書かれています。
mightは助動詞mayの過去形です。過去形といっても過去のことを言っているのではなくmayの推量「~かもしれない」という意味の確率が下がったニュアンスになります。
⇒「助動詞mayとは」
Very kind of you, but I must be going.
アリス「親切にありがとう、でもいかなきゃいけないわ。」
この文は等位接続詞のbutを使って以下の2つの文を逆接でつないでいます。
⇒「等位接続詞butとは」
(A)Very kind of you.
(B)I must be going.
Aの文は主語+述語動詞(It is)が省略されています。
It is very kind of you.は相手が親切にしてくれたときに感謝の気持ちを伝えるフレーズです。このフレーズは形式主語の文で真主語を後ろに付けて言うこともあります。
It is very kind of you to have a battle for me. 「私のために決闘をしてくれるなんて、親切にありがとう。」
Bの文はI must goと言ってもいいですが、動きながら「もう行かなきゃ」と言う人はI must be going.と言う人が多いです。現在進行形の今まさに行こうとしている感じが伝わってきます。
⇒「現在進行形とは」
Why?
人形「なぜ?」
Because I’m following a white rabbit.
アリス「白いウサギを追っているの。」
今まさに追っている感を出すために現在進行形にしています。
⇒「現在進行形とは」
Why?
人形「なぜ?」
Well, I’m curious to know where he’s going.
アリス「えっと、彼がどこに行くのか知りたいの。」
文頭に置くwellは色々な意味に解釈されます。驚いたときは「まあ」、安心したときは「やれ」、返事に詰まったときの「えっと」など続く文によって解釈が異なります。何かを言う前のクッションくらいに考えましょう。
このセリフのcuriousは「好奇心の強い」という意味です。
不定詞を使った副詞句がcuriousを修飾しています。
⇒「不定詞の副詞用法とは」
副詞句の中は疑問副詞のwhere「どこに」を使った間接疑問文です。
⇒「間接疑問文とは」
「彼がどこに行くのか知ることに好奇心が強い」⇒「彼がどこに行くのか知りたい。」という意味になります。
I’m curious to~は好奇心をもとに「~したい」という意味になることを覚えておきましょう。
Oh, she’s curious.
人形「おー、もの好きだなぁ。」
ちなみに「もの好き」とは、変わっていることが好きな人のことを言います。
The oysters were curious, too, weren’t they?
人形「牡蠣(カキ)たちももの好きだったよな?」
付加疑問文を使って、聞き手に同意を求めています。
⇒「付加疑問文とは」
カキたちとは一体何者でしょうね。
Aye, and you remember what happend to them.
人形「ああ、そして彼に何が起こったのか思い出すね。」
※このセリフは確認中です。
疑問副詞のwhat「何が」を使った間接疑問文です。
⇒「間接疑問文とは」
Ayeは「はい」という返事です。ただし、古めかしい表現なので普段Ayeは使わないほうがいいです。日本語で「へい」とか「あいよ」とか言う人がいたらおかしいのと同じです。
happen to~は「~に起こる」という意味です。
yourememberwhat happend to them.
Poor things.
人形「かわいそうなこと。」