不定詞の副詞用法。名詞以外または文全体を修飾する。不定詞を使った副詞句には意味がたくさんある。

2016年12月8日

不定詞とは、動詞を名詞、形容詞、副詞として使うために変化させた語のことをいいます。本記事では不定詞の副詞用法について説明します。

以降の説明を読む前に、不定詞の名詞用法と形容詞用法の記事を読んでおくと分かりやすいと思います。⇒「不定詞の名詞用法」「不定詞の形容詞用法

合格するために勉強する」、「試合に勝てて嬉しい」など、動きを伴う補足情報を追加したいときがあります。そんなときに動詞を不定詞に変えて使います。

不定詞の副詞用法

名詞用法、形容詞用法のおさらい

不定詞の用法がたくさんでややこしくなってきたので、ここで名詞用法と形容詞用法を軽くおさらいしておきましょう。

名詞用法で作った名詞句は文型(S、V、O、C)の要素の主語(S)、目的語(O)、補語(C)のいずれかになります。

不定詞の名詞用法

 

一方、形容詞用法で作った形容詞句は文型の要素にはなれず、名詞のみを後ろから修飾するのに利用します。

不定詞の形容詞用法

名詞用法と形容詞用法だけだったら不定詞の文は読みやすいのですが、次に説明する副詞用法があなどれません。

でも慣れれば大したことはないので突破しましょう!

lets_go

不定詞を使って副詞句を作る

形容詞用法と同じように、普通の文を不定詞を使った副詞句に変えることができます。実際にやってみましょう。以下の英文を読んで下さい。

I pass an exam. 「私は試験に合格する。」

主語を取っ払い、動詞を「to 動詞の原形」にするだけです。

不定詞を使った副詞句に変更

副詞用法のルール

副詞用法で作った副詞句は名詞以外または文全体を後ろから修飾するのに利用します。修飾語句なので文型の要素にはなれません。

副詞句は、修飾先の単語の直後に置くのではなく、必ず文末に置きます。例えば、以下の文では「to pass an exam(試験に合格する)」が「studied(勉強した)」を修飾していますが、studiedの直後ではなく、文末に副詞句が置かれています。

不定詞の副詞用法

 

不定詞の直前が名詞なら形容詞用法、名詞以外なら副詞用法ってこと?

そのルールだったら、不定詞の英文を読むのがとても楽になるのでナイス提案なのですが、実際はそうならないことが多いです。例えば、以下の例文を読んで下さい。

I bought an apple to live. 「私は生きるためにリンゴを買った。」

上記の文は「to live(生きるため)」が「bought(買った)」を修飾する副詞用法ですが、副詞句の直前に名詞があります。つまり、修飾先の文の最後が名詞で終われば、必然的に副詞句の直前は名詞になるということです。

 

じゃあ、どうやって形容詞用法と副詞用法を見分けるの?

残念ながら、品詞の並び方で形容詞用法と副詞用法を正確に判別する方法はありません。なので、「名詞+不定詞」を見たときに形容詞用法と思って突っ走ると混乱して前に進めなくなることがあるので注意して下さい。

そして副詞用法の意味には「目的、原因、結果、理由、条件」のように沢山あるので、さらに我々を混乱の渦に引き込もうとします。

Aの文をBの副詞句が修飾するとして、意味ごとに例文を見てみましょう。

A to B

目的「~のため」

Bの目的のためにAをする意味になります。以下の英文を読んで下さい。

(A)I bought an apple. 「私はリンゴを買った。」

(B)I cure a cold. 「私は風邪を治す。」

Bを不定詞の文に変えてAを修飾すると以下の文になります。

I bought an apple to cure a cold. 「私は風邪を治すためにリンゴを買った。」

風邪でリンゴを買う

原因「~して」

Bが原因でAになるという意味になります。以下の英文を読んで下さい。

(A)I was delighted. 「私は大いに喜んだ。」

(B)I bought an apple for 50 yen. 「私はリンゴを50円で購入した。」

Bを不定詞の文に変えてAを修飾すると以下の文になります。

I was delighted to buy an apple for 50 yen. 「私はリンゴを50円で買えて大いに喜んだ。」

Apple 50yen

結果

Aした結果、Bになるという意味になります。以下の英文を読んで下さい。

(A)I woke up. 「私は起きた。」

(B)I found a lot of apples near the bed. 「私はベッドの近くにリンゴが沢山あるのを見つけた。」

Bを不定詞の文に変えてAを修飾すると以下の文になります。

I woke up to find a lot of apples near the bed. 「目が覚めると、ベッドの近くにリンゴが沢山あるのを見つけた。」

ベッドの近くにたくさんのリンゴを見つけた

理由「~するとは」

Bを根拠としてAと判断する意味になります。以下の英文を読んで下さい。

(A)You are crazy about apples. 「あなたはリンゴに夢中だ。」

(B)You ate all the apples. 「あなたはリンゴを全部食べた。」

Bを不定詞の文に変えてAを修飾すると以下の文になります。

You are crazy about apples to eat all the apples. 「リンゴを全部食べるとは、あなたはリンゴに夢中だ。」

リンゴをすべて食べた

条件「もし~すれば」

もしBすればAになる意味になります。以下の英文を読んで下さい。

(A)You would become a fatty. 「あなたはデブになる。」

(B)You eat all the apples. 「あなたはリンゴを全部食べる。」

Bを不定詞の文に変えてAを修飾すると以下の文になります。

To eat all the apples, you would become a fatty. 「リンゴを全部食べたら、デブになるでしょう。」

太ったピット

形容詞を修飾する

文全体や動詞を修飾するのではなく、普通に形容詞を修飾できます。以下の英文を読んで下さい。

(A)It is easy. 「簡単だ。」

(B)I eat five apples. 「私はリンゴを5個食べる。」

Bを不定詞の文に変えてAを修飾すると以下の文になります。

It is easy to eat five apples. 「リンゴを5個食べるのは簡単だ。」

意味を判断する

品詞の並びから意味を判別することができない中、自然な訳になる意味を選択するのは慣れが必要です。また、不定詞の文を全部聞いたあとに意味を考えていたら話についていくことができません。なので、対策のポイントは、Aの文を聞いたら、続くB文がどんな内容で続くのかを予測することです。

例えば「君って天才だね!」といきなり友達に言われたあとに、続けて何か言いそうなとき何が言われると思いますか?

そうです。「テストで100点とるなんてさ!」、「あのロングシュートを決めるなんてさ!」など、天才と思った理由について語られると予測できます。

これと同じように、

「I studied hard!」のような頑張った文を聞いたあとに「to」がきたらが目的(~のために)の文が続くと思いながら次を聞く。

「I am very happy!」のような感情的なことを聞いたあとに「to」がきたら原因(~して)の文が続くと思いながら次を聞く。

不定詞の文を読みまくってBの予測ができるように練習しましょう。