従位接続詞「if」「whether」の使い方。「~かどうか」の条件文で主節を補足する。

2017年6月18日

本記事では従位接続詞の「if」と「whether」について説明します。従位接続詞とは、従属節が主節を補足するようにつなぐ接続詞です。

「彼が傘を持っていったかどうかを知りたい。」

もし明日雨が降ったら、試合は中止だ。」

など、条件文で主節を補足したいときがあります。そんなときにwhetherやifを使います。以降の説明を読む前に従位接続詞「that」の記事を読んでおくと分かりやすいと思います。⇒「従位接続詞とは

if_rain_umbrella

名詞節のwhether~ 「~かどうか」

以下の英文を読んで下さい。

(A)I don’t know. 「私は分からない。」

(B)it will rain tomorrow. 「明日雨が降るでしょう。」

上記の文をwhetherでつなぐと以下の英文になります。

従位接続詞whether

「私は明日雨が降るかどうか分からない。」

このように、主語+動詞を伴う文の先頭にwhetherまたはifを置けば、「whether(またはif)+文」のカタマリを「~かどうか」という意味の名詞節として使うことができます。

名詞節は文中で名詞と同じように使うことができます。名詞はS(主語)、V(述語動詞)、O(目的語)、C(補語)のうちの何になれるか覚えているでしょうか。そうです。S、O、Cになれます。⇒「S、V、O、Cとは

SVOCになれる品詞の対応表

 

注意点は、ifの名詞節は目的語にしか使えないことです。ifはもともと副詞節を作るための接続詞だったため、その名残りでこのような縛りになってます。

混乱

 

なので、名詞節を主語または補語として使う場合は必ずwhetherを使って下さい。

以下の文は名詞節を主語(S)に使う例です。

Whether it will rain tomorrow morning is important.

明朝雨が降るかどうかは重要だ。」

アメリカ人はこのような長い主語が嫌いです。そこで形式主語という技を使います。まず名詞節をitに変えます。

It is important.

次に、文の最後に名詞節をくっつけて完成です。

It is important whether it will rain tomorrow morning.

明朝雨が降るかどうかは重要だ。」

形式主語を使っても使わなくても意味は同じですが、聞き手はこれから「重要なこと」の話が続くことを把握してから話を聞くことができます。

雨が降るかどうか

 

以下の文は目的語(O)に使う例です。

I don’t know whether it will rain tomorrow morning.

「私は明朝雨が降るかどうか分からない。」

先ほど説明したように、名詞節を目的語に使う場合はwhetherの代わりにifを置くことができます。

I don’t know if it will rain tomorrow morning.

「私は明朝雨が降るかどうか分からない。」

whetherでもifでも意味は同じです。

雨が降るかどうか分からない

 

以下の文は補語(C)に使う例です。

Today’s topic is  whether it will rain tomorrow morning.

「今日の話題は明朝雨が降るかどうかです。」

明朝雨が降るかどうか

名詞節のwhether or not「~かどうか」

whether(またはif)の文末に「or not」をつけて「~かどうか」を際立たせることができます。以下の英文を読んで下さい。

I don’t know whether it will rain tomorrow morning.

「私は明朝雨が降るかどうか分からない。」

I don’t know whether it will rain tomorrow morning or not.

「私は明朝雨が降るかどうか分からない。」

「or not」をwhetherの直後に置くこともできます。ただし「if or not」という表現はありません。

I don’t know whether or notit will rain tomorrow morning.

「私は明朝雨が降るかどうか分からない。」

言わんとすることはどれも同じです。日本語でいう「雨が降るかどうか分からない。」と「雨が降るのか降らないのか分からない」といった言い方の違いだけです。「~かどうか」を際立たせたいときに使いましょう。

ちなみに、その昔「whether or no」という表現もありましたが、今ではほとんど使われていません。

名詞節のwhether A or B「AなのかBなのか」

今までの例は「Aなのか、Aでないのか」の使い方でしたが、「AなのかBなのか」という表現もできます。以下の英文を読んで下さい。

I don’t know whether it will rain tomorrow morning or whether it will snow tomorrow morning.

「whether it will」と「tomorrow morning」が共通しているので省略して以下の文にします。

I don’t know whether it will rain or snow tomorrow morning.

「私は明朝雨になるのか雪になるのか分からない」

副詞節のwhether「~であろうとなかろうと」

whetherで作ったカタマリが主語(S)、目的語(O)、補語(C)のいずれにもならない場合は「~であろうとなかろうと」という意味の副詞節になります。

以下の英文を読んで下さい。

(A)I will take an umbrella. 「私は傘を持っていく。」

(B)It rains tomorrow. 「明日は雨が降る。」

上記の文をwhetherでつなげると以下の文になります。

subordinating_conjunction_if_exam2

明日雨が降ろうとなかろうと、私は傘を持っていくでしょう。」

要するに、完全な文にくっつける「whether+文」は副詞節となって主節を補足するということです。副詞節の場合は文末の「or~」は省略できないので注意して下さい。

副詞節なので、主節の前に置くこともできます。

Whether it rains tomorrow or not, I will take an umbrella.

副詞節のif「もし~なら」

ifで作ったカタマリが目的語(O)にならないなら場合は「もし~なら」という意味の副詞節になります。

以下の英文を読んで下さい。

(A)I will take an umbrella. 「私は傘を持っていく。」

(B)It rains tomorrow. 「明日は雨が降る。」

上記の文をifでつなげると以下の文になります。

ifの副詞節

もし明日雨が降ったら、傘を持っていくでしょう。」

要するに、完全な文にくっつける「if+文」は副詞節となって主節を補足するということです。

副詞節なので、主節の前に置くこともできます。

If it rains tomorrow, I will take an umbrella.

ifの否定「もし~でないなら」とunless「~でない限り」

ifを使った副詞節を否定文にすると「もし~でないなら」という意味になります。

ifの否定の例

もし雨が降らなかったら、傘を持って行かないでしょう。」

ifの否定文と同じような意味になる従位接続詞にunless「~でない限り」があります。上記のif文をunlessを使った文に書き換えると以下になります。

従位接続詞unlessの例文

雨が降らない限り、傘を持って行かないでしょう。」

「雨が降らなかったら」の方が、「雨が降らない限り」より雨が降ることを想定しているニュアンスになるので若干伝わる印象が変わりますが、条件としては同じ文になります。

なお、unless自体に否定の意味が含まれているので、unlessを使った副詞節の中でnotが使われることはありません。なぜなら、英語は二重否定が禁止されているからです。

ifとwhetherの使い分け

紛らわしいので「~かどうか」にifは無い方がいいと思う

私もそう思います。「~かどうか」はwhetherだけにすれば余計な混乱がなくなっていいと思います。が長い歴史の中で定着してきたルールなので受け入れてあげましょう。

whetherとifの使い分けについて現代英語語法辞典には以下のように記載されています。

whetherとif

くだけた文体ではifが普通で、whetherはそれより堅い語で書き言葉に向いている。

ifを用いると曖昧さを生じることがある。例えば、Let her know if she is invited.は次の2通り解釈が可能

・彼女に招待されているのか知らせてあげなさい。(名詞節)

・彼女が招待されているなら知らせてあげなさい。(副詞節)

ネイティブの方は日常会話で「~かどうか」をifで使ってくることが多いです。ifの文をたくさん読んで「もし~」、「~かどうか」のどちらの意味もすぐ判別できるように練習しておきましょう。

逆に、自分から「~かどうか」を語るときに相手に誤解されたくないならwhetherを使うのがお勧めです。