現在完了形の使い方。過去と今この瞬間をつないで、そのあいだのことを表現する。
本記事では現在完了形について説明します。現在完了形は、過去と今この瞬間をつないで、そのあいだのことを表現します。
「現在完了」と聞くと「過去からやってきたことが今完了した。」ような状況をイメージしますが、完了以外にも、過去の経験や、過去から継続していることを表現するのにも使われます。
現在形、過去形との違い
現在完了形のイメージを把握しやすくするために、まずは現在形と過去形について軽く説明します。詳細は次の記事を参照して下さい。⇒「現在形とは」、「過去形とは」
現在形は、過去から今この瞬間を通って未来までを表現します。過去から未来に続く習慣のようなイメージです。
I play tennis once a week. 「私は週1でテニスをしてます。」
過去も週1でテニス、未来も週1でテニスをしていることを表しています。
過去形は、過去のある時点の前後を切り出して表現します。今この瞬間の状況に意識はいきません。
I played tennis once a week. 「彼は週1でテニスをしてました。」
過去に習慣的にテニスをしていることを表しています。今も習慣的にテニスをしているのかは分かりません。
そして、現在完了形は過去のある時点から今この瞬間までをつないで、そのあいだのことを表現します。今この瞬間に意識がいき、今どうなっているのかを察することができます。ただし、今この瞬間より未来の状況には意識はいきません。
以下は現在完了形の文の例です。
I have just finished playing tennis. 「彼はちょうどテニスをし終わりました。」
上記の英文からはテニスが終わって今はやっていないということが伝わってきます。
I have liked tennis since 10 years ago. 「私は10年前からテニスが好きです。」
上記の英文からは10年前からテニスが好きで、今も好きということが伝わってきます。
現在完了形の作り方
動詞を現在完了形にするには、動詞の前にhaveを置き、動詞を過去分詞にします。
以前の記事で、過去分詞は形容詞として使うときは「~された」の受け身を意味すると説明しましたが、本記事のように過去分詞を現在完了形で使う場合は完了、経験、継続の意味になります。⇒「過去分詞とは」
主語が3人称単数の場合はhaveをhasにします。⇒「人称とは」
He has just finished playing tennis. 「彼はちょうどテニスをし終わりました。」
なお、現在完了形のhaveには「持つ」という意味は含まれないので惑わされないようにしましょう。
完了の現在完了形を作る
「完了」の現在完了形を実際に作ってみましょう。以下の英文を読んで下さい。
I finished playing tennis. 「私はテニスを終えた。」
動詞の前にhaveを置きます。語尾がedの過去形は過去分詞になってもスペルは変わらないので、動詞はそのままでいいです。
I have finished playing tennis. 「私はテニスを終えたところです。」
やり終えたことは確かですが、これだと今ちょうどやり終えたというニュアンスが伝わりづらいです。そんなときは副詞のjust(ちょうど)を動詞の前に置きます。
I have just finished playing tennis. 「私はちょうどテニスを終えたところです。」
今この瞬間に意識をおいて「ちょうどやり終えたところ」が伝わる文章になりました。
完了を意味する現在完了形では、他にalready(すでに)やyet(まだ)の副詞が使われることが多いです。
I have already finished playing tennis. 「私はすでにテニスをし終わりました。」
I have not finished playing tennis yet. 「私はまだテニスを終えていません。」
経験の現在完了形を作る
過去のある時点から今この瞬間までの経験を現在完了形で表現することができます。以下の文を読んで下さい。
I played tennis three times. 「私は3回テニスをした。」
上記の文は3回テニスをやったことは分かりましたが、今まで3回しかやったことがないのか、それとも、もっとしたことがあるのかが伝わってきません。そこで現在完了形に変えます。
I have played tennis three times. 「私は3回テニスをしたことがあります。」
過去から今この瞬間まで3回テニスをしたことがあるのが伝わる文になりました。
継続の現在完了形を作る
過去のある時点から今この瞬間まで継続していることを現在完了形で表現することができます。以下の英文を読んで下さい。
I lived in Tokyo. 「私は東京に住んでいた。」
上記の文は昔東京に住んでいたことは分かりますが、今どうなのかは分かりません。
I live in Tokyo. 「私は東京に住んでいる。」
上記の文は今も東京に住んでいることが分かりますが、話の内容として「住んでます」ではなく「今まで東京に住んできたんです(未来は関係ない)。」のニュアンスで言いたいときがあります。そんなときに現在完了形を使います。
I have lived in Tokyo. 「私は東京に住んできた。」
住んできたのは分かりましたが、いつから住んできたのかを教えるのが親切ですね。以下の英文のようにします。
I have lived in Tokyo since 10 years ago. 「私は10年前から東京に住んでいる。」
現在完了形を否定文にする
現在完了形の文を否定文にするにはhaveの直後にnotを置きます。実際に作ってみましょう。以下の英文を読んで下さい。
I have just finished playing tennis. 「私はちょうどテニスを終えたところです。」
haveの直後にnotを置くと以下の英文になります。
I have not just finished playing tennis.
そうなんです。現在完了形の肯定文を否定文に変えるときは、過去分詞を修飾している副詞を文の意味に応じて変える必要があります。例えば、今回の例だと以下のようにするとしっくりきます。
I have not finished playing tennis yet. 「私はまだテニスを終えていない。」
have notは省略してhaven’t、has notの場合はhasn’tを書くことが多いです。ちなみに、副詞は意味によって文中の置く場所が変わります。⇒「副詞とは」
現在完了形を疑問文にする
現在完了形の文を疑問文にする場合はhaveを主語の前に移動し、文末に?を追加します。助動詞の疑問文を作る方法と同じですね。以下の英文を読んで下さい。
You have lived in Tokyo since 10 years ago. 「あなたは10年前から東京に住んでいる。」
haveを主語の前に出して、?を追加します。
Haveyou lived in Tokyo since 10 years ago? 「あなたは10年前から東京に住んでいるの?」
回答はhave(3人称単数ではhas)を使って答えます。
Yes, I have. 「はい、そうです。」
No, I haven’t. 「いいえ、違います。」
現在完了形でよく使われる副詞、前置詞がある
現在完了形は下表の副詞や前置詞と一緒に使われることが多いので、完了、経験、継続のどの文なのかを判別する手掛かりになります。例えば、文中にalreadyが使われていたら完了の現在完了形であることが分かります。
といっても、必ず以下の単語が含まれているわけではないので、現在完了形の完了、経験、継続の判別を意識しすぎないほうがいいです。現在完了形が登場したら、過去から今この瞬間までをつないだ話が展開されているイメージを感じながら読み解いていきましょう。
種類 | 意味 | 例文 |
---|---|---|
完了 | just ちょうど | I have just finished playing tennis. 私はちょうどテニスを終えたところです。 |
already すでに | I have already finished playing tennis. 私はすでにテニスを終えています。 | |
yet まだ もう | I haven't finished playing tennis yet. 私はまだテニスを終えていません。 Have you finished playing tennis yet? もうテニスを終えたの? | |
経験 | ever 今までに | Have you ever played tennis? 今までにテニスをしたことがありますか? |
never 一度も~ない | I have never played tennis. 私は一度もテニスをしたことがない。 | |
継続 | for ~の間 | I have lived in Tokyo for 10 years. 私は10年間東京に住んでいます。 |
since ~から | I have lived in Tokyo since 10 years ago. 私は10年前から東京に住んでいます。 |
ちなみに、yetは否定文(まだ~)か疑問文(もう~)で使われるのが通常ですが、最上級を表現するときに「今までのところ」という意味として、肯定文で使われることがあります。
以下のシーンは女王が「That’s the most important piece of evidence we’ve heard yet.」と言うシーンです。yetを肯定文で使っています。
しかし、肯定文をyetで使うと誤解されるかもしれないので、everを使って「we’ve ever heard.」と言うのをお勧めします。