不思議の国のアリス68「アリスの裁判の証人にドーマウスと帽子屋がやってくる」
裁判の証人としてやってきた三月ウサギが「この事件について何も知らない」と言いました。
That’s very important!
女王「それはとても重要だ。」
Thatは指示代名詞です。三月ウサギが言った「Nothing whatever(全く何も知らない)」のことを指しています。
⇒「指示代名詞とは」
Jury, write that down.
女王「陪審員、書き留めろ。」
このセリフのwrite downは「書き留める」「記録する」という意味です。
直前のセリフと同様に、このセリフのthatも指示代名詞で、三月ウサギが言った「Nothing whatever(全く何も知らない)」のことを指しています。
⇒「指示代名詞とは」
Uh, unimportant your Majesty means of course.
アリス「女王陛下が言おうとしていることは重要じゃないということね。」
目的語のunimportantを強調するために文頭に置いています。目的語を文頭に移動した場合、否定語が含まれる場合は倒置が発生して疑問文の形になりますが、このセリフは否定語が無いので倒置は発生しません。このセリフを強調を使わない完全な文にすると以下になります。
Your Majestymeansunimportant, of course.
女王のことをYour Majesty(直訳:あなたの尊厳)と呼んでいます。王族は名前を直接呼ぶのは恐れ多い存在として、YourやHis、Herなどを付けるのがしきたりになっています。
of courseは「もちろん」や「当然」という意味以外に指摘されたことに対して「それだ」と返答するときにも使われます。
先ほどの三月ウサギが「Nothing」と言いました。「Nothing is important」⇒「何も重要じゃない」ということです。
Silence! Next witness.
女王「静かに!次の証人。」
The Dormouse.
白ウサギ「ドーマウス」
ネズミの名前が判明しました。
Well. 女王「さて。」
Wellは色々な意味に解釈されます。何かを言う前のクッションくらいに考えましょう。このセリフのWellは話を変えるときの「さて」です。
Shh.. トランプ「シー」
Shhhは静かにするように命令するときの合図です。日本人もよく、人差指を口の前に縦に置いて「シー!」と言います。
What have you to say about this?
女王「事件について何か言うべきことはあるかい?」
疑問代名詞のwhatを使った疑問文です。
⇒「疑問代名詞とは」
私の耳にはtoがtheに聴こえるのですが、ネイティブに聴いてみてもらったところtoと聴こえるそうです。
完了形じゃないのにどうしてhaveが主語の前に置かれているのか疑問に思った人、ナイス気づきです。イギリス英語ではhaveを変則動詞として扱うことがあるためです。
⇒「イギリスでのhaveの扱い」
普段の書き方に直すと以下の文になります。
What do you have to say about this?
have to~は「~しなければならない」という意味です。
⇒「助動詞mustとは」
thisは今回の事件のことを指しています。
Twinkle, twinkle, little bat. How I wonder..
ドーマウス「キラキラ輝く小さなコウモリさん、あなたは一体。。」
この歌はアリスが帽子屋と三月ウサギに誕生日じゃない日を祝ってもらったときにドーマウスが歌った歌です。童謡Twinkle Twinkle Little Star(キラキラ星)のパロディです。
⇒「ドーマウスが歌うシーン」
That’s the most important piece of evidence we’ve heard yet.
女王「これは今まで聞いた証拠の1つで最も重要なものだよ。」
最上級を使って「最も~」を表現しています。
⇒「最上級とは」
関係代名詞のwhichを使った形容詞節がpice of evidenceを修飾しています。
⇒「関係代名詞whichとは」
piece of evidenceは「証拠の1つ」という意味です。
形容詞節の中は現在完了形を経験の意味で使っています。
⇒「現在完了形とは」
Write that down!
女王「書き留めろ!」
Twinkle, twinkle. Twinkle, twinkle. Twinkle, twinkle.
陪審員「キラキラ輝く。キラキラ輝く。キラキラ輝く」
Twinkle, twinkle. What next?
アリス「キラキラ輝く。次は何?」
疑問代名詞のwhatを使った疑問文です。
⇒「疑問代名詞とは」
述語動詞が省略されています。省略しない場合は以下のような文になります。
What is next? 「次は何?」
What comes next?「次は何がくる?」
The Mad Hatter.
白ウサギ「狂った帽子屋。」
Oh! Hahaha.
帽子屋「痛っ!ははは。」
Hahahaは軽い感じの笑い声の擬音語です。
Off with your hat!
女王「帽子を取れ!」
女王が何度も使ってきた Off with one’s headは「~の首をはねる」の head を hat に変えて「帽子を取る」を表現しています。
Oh, my!
帽子屋「やれやれ」
oh myと聴くと「Oh my god!」などの驚いたシーンで発言する言葉の印象がありますが、安心したときやフーと一息つくときにも使います。
⇒別シーン「驚いたあとにOh, my」