助動詞「need」の使い方。~する必要がある。という意味を動詞に追加する。

2017年7月9日

本記事では助動詞「need」について説明します。

needとは「~する必要がある」という意味を動詞に追加する助動詞です。

今まで記事で説明した助動詞は助動詞としてのみ使えましたが、何とneedは助動詞の他に、一般動詞としても使えるのが特徴です。

 

リンゴをもらうピット

助動詞として使うneed

needは助動詞ですが、実は一般動詞として使われるほうが圧倒的に多いです。。しかも、needを助動詞として使うのは疑問文か否定文のみです。

Need I go to your home?

「君の家に行く必要ある?」

You needn’t go to his home.

「君は彼の家に行く必要はない。」

さらに、「~する必要はない」というときはneed not を使わずに don’t have to を使うほうが好まれています。普通の会話でneed notを使うと、堅苦しいと文句を言われるほとです。
⇒「have toとは

You don’t have to go to his home.

「君は彼の家に行く必要はない。」

さらに、mustと同じく過去形が無いので、時制の一致によるスペル変化はしません。
⇒「時制の一致とは

I thought that you needn’t go to his home.

「私はあなたが彼の家に行く必要は無いと思った。」

肯定文じゃ使えないし、過去形も無いしで使いづらいですね。何だかneedのことが可哀想になってきましたが、イギリスではneedが使われることがあるそうなので、覚えておきましょう。

以下の動画はアリスが「You needn’t shout!(叫ぶ必要はない)」と叫んでいるシーンです。

 

過去のことについて「~する必要が無かった」と言いたいときは「need not have 過去分詞」で表現できます。詳しくは「助動詞 have 過去分詞」の記事を見て下さい。
⇒「準備中」

You needn’t have gone to his home.

「あなたは彼の家に行く必要は無かった。」

一般動詞として使うneed

一般動詞として使うneedは肯定文、疑問文、否定文、すべてで使えるので安心です。to不定詞を使った名詞句を目的語にして使います。
⇒「不定詞とは

Youneedto go to his home.

「あなたは彼の家に行く必要がある。」

Do you need to go to his home?

「あなたは彼の家に行く必要がありますか?」

You don’t need to go to his home.

「あなたは彼の家に行く必要は無い。」

もちろん、過去形(needed)もあります。

You needed to go to his home.

「あなたは彼の家に行く必要があった。」

needed to~を使った「~する必要はなかった。」と、「need not have 過去分詞」を使った「~する必要はなかった」はニュアンスが異なるので注意が必要です。

(A)You didn’t need to go to his home.

「あなたは彼の家に行く必要はなかった。」

(B)You need not have gone to his home.

「あなたは彼の家に行く必要はなかった(けど行った)。」

Aの文(didn’t need to)は「行く必要がなかった」ということだけを言っていて、結局行ったのかどうかには意識はいきません。

一方、Bの文(need not have 過去分詞)は「行く必要がなかった」けど、結局行ってしまったという後悔や非難のニュアンスで伝わります。現在完了形は過去と現在を繋いで、現在どうなっているかを感じる表現なので、結局どうなったのかに意識がいってこのようなニュアンスが生まれます。
⇒「現在完了形とは

インターホンを鳴らす

「neet to~」と「need ~ing」の違い

さらに、needの後ろには動名詞を置くこともできます。どちらも「~する必要がある」という意味になりますが、主語にどんなものを置くかが異なるので注意が必要です。

「need to不定詞」は「する側」の人や物が主語に入ります。

You need to wash the car.

「あなたは車を洗う必要がある。」

あなたが洗う。つまり、する側(You)が主語になっています。

一方、「need ~ing」は「される側」の人や物が主語に入ります。

The car need washing.

「車は洗う必要がある。」

車が現れる。される側(The car)が主語になっています。つまり、受け身の文です。

といっても、一般動詞の後ろに動名詞を置くと必ず受け身の文になるということではありません。これはneedの場合の特別な用法です。needの他にもこのような使われ方をする動詞があるので興味がある人は探してみて下さい。

ちなみに、以下の動画は「It needs sewing.(縫う必要がある)」と言うシーンです。

needとmustとの違い

「~する必要がある」に似たような意味の助動詞にmustの「~しなければならない」があります。この意味だけ見ると同じことを言っているように思ってしまいますがニュアンスが異なります。

needは第三者から見ても自分ががそれをするべきであること(必要性)を理解し、決意している状況で使うことが多いです。

例)I need to diet.「ダイエットしなきゃ(よしやるぞ)」

一方、mustは自分の決意とは関係なく、それを実行させる力を持っています。

例)I must diet.「ダイエットしなきゃ(嫌だなあ)」

他者に使う時はかなり緊迫した、きつい言い方になるので気を付けましょう。

例)You must diet.「運動しなさい!」

have toも「~しなければならない」という意味ですが、これは規則などのルールに従ってやらなければならないというニュアンスになります。

例)I have to diet.「ダイエットしなきゃ(スケジュール表を見ながらなど)」

この3つのニュアンスの違いを把握して使い分けましょう。