受動態の使い方。主語が他のものから作用、影響を受ける文を作る。

2016年12月2日

本記事では受動態について説明します。まず下図を文にしてみましょう。

「ピットがリンゴを食べる。」

このような、主語が動いたり、他のものに作用、影響を及ぼす文構造を能動態といいます。

 

ピットがリンゴを食べる

 

主語をリンゴに変えたらどうなるでしょうか。

「リンゴがピットに食べられる。」

このような、主語が他のものから作用、影響を受ける文構造を受動態といいます。

受動態を作る

受動態は、前回記事で説明した「受け身」と同じ考え方です。前回記事では動詞を過去分詞に変えて「~された」という形容詞として使いました。⇒「前回記事

過去分詞を文型SVCのC(補語)の位置において主語を説明させることで、主語が「~された」という受け身(受動態)の文になります。⇒「文型SVOCとは

文型SVC

 

では、実際に能動態の英文を受動態に変更してみましょう。以下の英文を読んで下さい。

Pit eats an apple.

「ピットはリンゴを食べる。」

この英文の文型はSVOです。受動態にするにはO(目的語)を主語にし、V(述語動詞)を過去分詞にして構造を以下のように変更します。

受動態に変更

 

受動態の「リンゴはピットに食べられる。」になりました。

述語動詞は必ずbe動詞にします。つまり、受動態は「される側+be動詞+過去分詞+by+する側」の構造になります。「by+する側」は内容的に重要でない場合や、言わなくても明らかな場合は省略することが多いです。

また、「by+する側」を人称代名詞(私、彼など)にする場合は、目的格を入れます。⇒「人称代名詞とは

An apple is eaten by him. 「リンゴは彼によって食べられる。」

ちなみに、能動態でO(目的語)を持たない文(文型SV、SVC)は受動態にすることはできません。

受動態はどんな時に使うのか

「ピットがリンゴを食べた。」

「リンゴがピットに食べられた。」

結局どちらの文も同じことを言っています。となると、受動態の存在価値が無いように思ってしまいますが、受動態は必要な存在です。なぜなら、話の中心となっているものを主語にしたいことが多々あるからです。

例えば、以下の物語を読んで下さい。

成熟したリンゴ君は神様から足を授かりました。外の世界に興味を持ったリンゴ君は、山を越え、谷を越え、そしてピットの家に辿り着きました。テーブルの上で少し寝ていると。。

Mr. apple was eaten by Pit. 「リンゴ君はピットに食べられました。」… 完

このように、リンゴを中心に話を進めてきたので、主語をリンゴにした受動態で「食べられた」を表現しています。

リンゴの大冒険

 

以下の物語を読んで下さい。

ピットが学校から帰ってきてゆっくりしていると、実家からリンゴが届きました。丁度お腹が減っていたので、、

Pit ate the apple. 「ピットはリンゴを食べました。」…完

ピットを中心に話を進めているので、主語をピットにして能動態で「リンゴを食べた」を表現しています。

実家からリンゴが届いて食べた

受動態の否定文

受動態の文を否定文にするにはbe動詞のあとにnotを置きます。以下の英文を読んで下さい。

Mr. apple was eaten by Pit. 「リンゴ君はピットに食べられた。」

これを否定文にすると以下の英文になります。

Mr. apple wasn’t eaten by Pit. 「リンゴ君はピットに食べられたのではなかった。」

受動態の疑問文

受動態の文を疑問文にするにはbe動詞を主語の前に移動します。以下の英文を読んで下さい。

Was Mr. apple eaten by Pit. 「リンゴ君はピットに食べられたの?」

要するに、受動態の否定文、疑問文は、過去分詞を形容詞と考えて能動態と同じように作ります。