ピーターパン26「フック船長が左手をピーターパンに切り落とされてワニに食べられた話をする。」
「海賊は楽しいけど、命が短い」という内容の歌を歌った仲間をフック船長は打ち殺しました。
Now let me see, where was I?
フック船長「さて、えーっと、どこまで話したっけ?」
独り言のlet me seeは「えーっと」という意味のフレーズです。相手に語りかけるようにlet me seeと言ったら「見せて」と言っています。
⇒「他のlet me seeのシーン」
where was Iは「私はどこにいた?」という意味から派生して、「どこまで話したっけ?」という意味で使われます。
Oh dear, dear, dear Captain Hook. Shooting a man in the middle of his cadenza, it ain’t good form, you know.
スミー「ああ、ああ、ああ、ああ、フック船長。彼のカデンツァの半ばで撃ち落おとした、それは不作法ですよね。」
分詞構文を使った副詞句が主節を補足しています。分詞構文を使えば接続詞無しで文と文をつなぐことができます。
⇒「分詞構文とは」
Shooting a man in the middle of his cadenza, itain’tgood form, you know.
Oh dearは、驚いたとき、悲しいとき、失敗したときなどに使うセリフです。残念な感情を持ちながら言うことが多いです。Dear meも同じ意味で使います。
⇒「Dear meのシーン」
このセリフのin the middle of~は「~の半ばで」という意味です。
カデンツァとはオーケストラが自由に歌ったり、演奏したりする部分のことです。海賊が「ラ~~♪」と一番盛り上がっているところで撃ちました。
このセリフのgood formは「礼儀」という意味です。
You knowを直訳すると「あなたは知っている」、この意味から派生して、聞き手が知っていることを前提に「ほら~」「~でしょ?」「~じゃん?」のような聞き手の同意を求めるときのフレーズとして使用されます。ちなみに、You seeも相手に何かを説明する前に言うことがあり、聞き手が知らない情報をこれからいうときにも使えます。
これから話す情報 | 先に言うこと |
---|---|
聞き手が既に知っている | You know You see |
聞き手はまだ知らない | You see |
ain’tは、am not、aren’t、isn’t、haven’tの短縮形です。
⇒「もう少し詳しく」
Good form, Mr. Smee? Blast good form!
フック船長「礼儀だって?スミーさん。礼儀なんてくたばっちまえ!」
Did Pan show good form when he did this to me?
フック船長「パンは私にこれをしたときに礼儀を見せたのか?」
従位接続詞のwhen「~のとき」を使った副詞節が主節を補足しています。
⇒「従位接続詞whenとは」
自分のフックの腕を見せながら言ったことから、he did this to me の this はピーターパンのせいで失った左腕のことを言っていることが分かります。
Why, captain, cutting your hand off was only a childish prank, you might say.
「ああ、船長、手を切断したことはただの子供のいたずらだった。と言えるでしょう。」
動名詞を使った名詞句が主語になっています。
⇒「動名詞とは」
Why, captain, cutting your hand offwasonly a childish prank, you might say.
このセリフのcut off~は「~を切断する」という意味です。
you might sayは「と言えるでしょう」とう意味です。
このセリフのwhyは疑問詞ではなく間投詞です。驚きや承認を表したり、「えっと」のように考えているときの表現に使います。
Aye. But throwing it to the crocodile!
フック船長「ああ、でもワニに向かってそれを投げた!」
Ayeは「はい」という返事です。ただし、古めかしい表現なので普段Ayeは使わないほうがいいです。日本語で「へい」とか「あいよ」とか言う人がいたらおかしいのと同じです。
この文は述語動詞からが省略されています。先ほどスミーが言ったセリフに合わせると以下のような文になると考えられます。
But throwing it to the crocodilewas nota childish prank.
腕を切り落とすのは子供のいたずらだけど、切り落とした腕をワニに向かって投げるのは子供のいたずらではない。。(・□・;)いたずらの線引きは現実世界と大きく異なるようですね。
That cursed beast liked the taste of me so well.
フック船長「あの呪われた野獣は私の味をとても気に入った。」
curseは遠い昔は「呪い」という意味で使われていましたが、現在では悪口の表現にも使われます。現代英語語法辞典には以下のように記載されています。
curse, damn
いずれも神をないがしろにするような悪口やぼうとく的なのろい言葉で脅かすことを示す。
curse
「呪う、ののしる」を意味する一般的な語
He cursed himself for having been so careless.(彼はあまりに不注意だったので自分に腹を立てた)
My uncle, my mother’s brother, cursed the Serbs in the most awful language.(私の母方のおじは一番ひどい言葉でセルビア人をののしった)
引用元: 現代英語語法辞典(三省堂)
このセリフのthatは指示代名詞で「あの~」という意味です。
⇒「指示代名詞とは」
so wellは「とても良い」という意味です。
He’s followed me ever since, licking his chops for the rest of me.
フック船長「私の残りの部分のために、彼は舌なめずりをしながらあれ以来ずっと私についてきている。」
※このセリフは確認中です。
このセリフの He’s は He has の略です。つまり現在完了形の文です。腕を食べられてから今まで、ずっとワニに追われ続けている状況が伝わってきます。
⇒「現在完了形とは」
分詞構文を使った副詞句(licking his chops)が主節を補足しています。「~しながら」という意味で考えるとしっくりきます。
⇒「分詞構文とは」
ever sinceは「あれ以来ずっと」という意味です。
lick one’s chopsは「舌なめずりする」という意味です。
for the rest of~は「~の残りの部分のために」という意味です。ちなみに、「~の間ずっと」という意味で使われることが多いです。
for the rest of my life「残りの人生ずっと」
He’d have had you by now, captain, if he hadn’t swallowed that alarm clock.
スミー「彼があの時計を飲み込まなかったら、今頃は彼はあなたを食べていたでしょう。」
仮定法の文です。仮定法は過去のある時点において「もし~だったら」を表現するときの動詞は過去完了形になります。
⇒「仮定法とは」
このセリフの He’d は He would の短縮形です。
by nowは「今頃は」という意味です。
But now when he’s about, he warns ya, as you might say, with his tick-tock, tick-tock, tick-tock.
スミー「でも今は、彼が近くにいるときは、彼はあなたに警告する、言うなれば、チクタク、チクタク、チクタクで、、、」
従位接続詞のwhen「~のとき」を使った副詞節が主節を補足しています。
⇒「従位接続詞whenとは」
英語ではyou(ユー)のことをya(ヤ)と言う人がいます。日本語でも「あなた」を「あんた」「われ」「そち」と言う人がいるのと同じです。
as one might sayは「言うなれば」という意味です。文中に挿入しています。
⇒「挿入とは」