不思議の国のアリス56「タルジーの森の中を歩くと不思議な生物が沢山いた。」
アリスは家に帰ろうと思って道を歩いていると「タルジーの森」という看板を見つけました。
I don’t remember this.
アリス「覚えてないわ。」
thisは指示代名詞で「タルジーの森」の看板のことを言っています。不思議の国に入るときにこの看板があったのを覚えてないので、家に帰る道はこの道ではないのかも知れないと思い始めているのでしょう。
⇒「指示代名詞とは」
Now let me see.
アリス「さて、えーっと」
Nowは「さて」、「では」などの意味で話を切り替えるときに、文頭に置くことがあります。
let me seeは「えーっと」という意味のフレーズです。一見、使役動詞のletを使った命令形「私に見せて」という意味と思ってしまいますが、独り言のようにlet me seeと言っている人がいたら「えーっと」と言っていると思いましょう。相手に語りかけるようにlet me seeと言ったら「見せて」と言っています。
Oh!
アリス「あ!」
Umm, no, no, please. No more nonsense.
アリス「んー、お願いだからやめて。もう馬鹿げた話はたくさん。」
ummは主に疑っているときや、混乱しているときに発する言葉です。hmmも悩んでいるときに出る言葉ですが、解決策を考えているようなときにも発します。
相手から受けた行為に対して心からやめて欲しいときにNo, pleaseと言うときがあります。しかし、文脈から別の意味になることもあります。例えば、以下の英文を読んで下さい。
Do you mind if I eat the apple? 「そのリンゴ食べてもいい?」
No, please? 「ええ、どうぞ。」
何だか日本語訳に引っ張られるとYesと答えてしまいそうですが、Do you mind~?は「気にする?」という質問なので、気にしない場合は「No, I don’t mind. Please eat.」、略して「No, please.」になります。
混乱しそうなので、慣れるまではDo you mind~?と聞かれたら、NoまたはYesだけで答えるのではなく、気にするからやめてほしい場合は「Yes, I do mind.」、気にしないからやってもいい場合は「No, I don’t mind.」と答えることをお勧めします。
頭にNo、Yesどちらをつけるか迷いそうな人は次の記事を読んで下さい。
⇒「付加疑問文とは」
Now, if I came this way, I should go back this way.
アリス「さて、もしこの道を来たのなら、この道を戻るべきだわ。」
従位接続詞のif(もし~なら)を使った副詞節が主節を補足しています。
⇒「従位接続詞ifとは」
go backは「戻る」という意味です。
Oh, I beg your pardon.
アリス「おっと、ごめんなさい。」
pardonは聞き取れなかったことをもう一度聞きたいときに使うイメージがありますが、その他にも色々な意味で使われます。基本イメージは「許す」です。
セリフ | 意味 |
---|---|
I beg your pardon? Pardon me. | 迷惑をかけたことを謝る |
もう一度言ってもらえますかとお願いする | |
知らない人に声をかける | |
話の途中で何かするときにひと言 |
ラッパが怒って去って行きました。
My goodness. When I get home, I shall write a book about this place.
アリス「何てことなの、家に帰ったら、この場所についての本を書くわ。」
従位接続詞のwhen「~のとき」を使った副詞節が主節を補足しています。
⇒「従位接続詞whenとは」
get homeは「家に着く」という意味です。
shallは「~になる。」という意味を追加する助動詞です。絶対にそうなる(そうする)というイメージになります。
⇒「助動詞shallとは」
goodnessはgodの遠回しの表現です。godと直接言うのは神に失礼にあたるとしてgoodnessと言う人がいます。
If I.. If I ever do get home.
アリス「もし、もし、いつか本当に家に帰ることがあったらね。」
everといえば、現在完了形の中で「今までに」という意味で使うイメージがありますが、条件文の中で使うと「いつか」という意味になります。
Have you ever been to America? 「アメリカに行ったことがありますか?」
If you ever come to Japan, please contact me. 「もし、いつか日本に来ることがあれば、連絡を下さい。」
このセリフのdoはgetを強調する助動詞です。強調されることで「本当に~」という意味になります。
もしかして、アリスは家に帰るのを諦めかけてる?
Oh, um, excuse me. Um, could one of you tell me..
アリス「えっと、すいません。どなたか私に。。」
誰か一人を呼びましたが、全員やってきました。
Uh.. haha. Never mind.
アリス「あー、ハハ、気にしないで。」
ちなみに、日本人は失敗した人に向かって「ドンマイ(Don’t mind)」と言いますが、これは和製英語です。Don’t mindを外国人に言うと「私は気にしないよ」という意味でとらえられてしまう恐れがあるので、「気にしないで」というときは、「Never mind」または「Don’t worry」を使うようにして下さい。