不思議の国のアリス13「コーカレースに参加して動物たちと一緒に走る」
アリスは動物たちが踊っている小さな島に上陸しました。
I say. You’ll never get dry that way.
船長「おい。そんなんじゃ絶対に乾かないぞ」
I sayは「ねえ」や「あのね」のように何かを伝えるときに相手の注意を引くために使います。
助動詞willを使って予想しています。
⇒「助動詞willとは」
get dryは「乾く」という意味です。
Get dry?
アリス「乾く?」
船長が言ったことを聞き返しています。
Have to run with the others.
船長「他のものと一緒に走らなければならない。」
「have to 動詞の原形」は「~しなかればならない」という意味です。助動詞mustも「~しなければならない」という意味ですが、have to は規則などのルールに従ってやらなければならないというニュアンスになります。
⇒「mustとhave to」
the othersは不定代名詞で「他の全部」という意味です。つまり船長以外の全員ということです。
⇒「不定代名詞otherとは」
First rule of a caucus-race, you know.
「コーカスレースの第一のルールでしょ。」
You knowを直訳すると「あなたは知っている」、この意味から派生して「~でしょ?」「~じゃん?」のような聞き手の同意を求めるときのフレーズとして使用されます。
コーカスレースはこの物語特有のレースで、動物たちが円を描くように走るレースのことです。これは筆者の予想ですが、caucusは政党の集会のことをいうので、同じところを行ったり来たりしている政治家を皮肉ったレースなのかも知れません。
But, how can I..
アリス「でもどうやって。。」
疑問副詞を使った疑問文です。
⇒「疑問副詞とは」
波に襲われてセリフが途中で切れています。おそらくアリスは以下のように言おうとしていたと思われます。
But, how can I get dry? 「でも、どうやって乾かすことができるの?」
That’s better.
セリフ「良くなった。」
That’s betterは前の状態が改善されていい状態になったと感じたときに言うフレーズです。
レースに参加して走り始めたアリスに対して、船長が「良くなった」と言ってアリスを褒めています。
Have you dry in no time now.
船長「すぐ乾くさ。」
Have youから始まって現在完了形の疑問文かと勘違いしてしまいそうですが、この文は主語が省略された文です。
この文は第5文型(SVOC)の文で、have O Cで「OをCにする」という意味になります。
Runninghaveyoudry in no time now.
「走ることがあなたをすぐに乾かす。」⇒「すぐ乾くさ。」
in no timeは「すぐに」という意味です。
No one can ever get dry this way.
アリス「この方法じゃ誰も乾かすことができないわ。」
No oneは不定代名詞で「誰も~ない」という意味です。
⇒「不定代名詞~body、~one、~thing」
先ほど、船長さんが「方法」のことをthat wayと言い、アリスはthis wayと言いました。相手がやっていることにはthat、自分がやっていることにはthisのように、指示代名詞を使って距離感を演出しています。
⇒「指示代名詞とは」
everは疑問文で使うイメージがありますが、このセリフのように否定文で使うこともあります。
Have you ever been to Hawaii? 「ハワイに行ったことがありますか?」
現代英語語法辞典には以下のように記載されています。
everは疑問文ばかりでなく、否定文や否定的意味を含む語句とともに用い、また肯定文であっても限られた場合、例えば、as ever、than everなどと、あるいは最上級やthe onlyで修飾される名詞(句)を限定する節の中、if-clauseの中などでも用いる。
No one’s ever accused me of it.(そのことで私を責めた人はだれもいなかった。)
引用元: 現代英語語法辞典(三省堂)
ちなみに、英語は二重否定は禁止されているので、このセリフでeverの代わりにneverを使うことはできません。
× No one can never get dry this way.
ちなみに「never(一度も~ない)」は、notとever(一度)がくっついてできた単語です。
Nonsense. I am as dry as a bone already.
船長「ばかばかしい!私は既にカラカラに乾いている。」
as dry as a boneは「カラカラに乾いた」という意味です。「骨と同じくらい乾いている」のイメージから生まれた比喩です。
「~と同じくらい…」の表現については原級の記事をみて下さい。
⇒「原級とは」
まさか船長がナンセンスと言うとは、ナイス船長。