否定疑問文の使い方。意外な気持ちで質問したり、聞き手の同意を求める。
本記事では否定疑問文について説明します。
否定疑問文とは、否定文「~じゃない」を疑問文にしたものをいいます。
自分が思っていたことが間違っているかも知れないときに「~じゃないの?」と聞いたり、相手の同意を求めるときに「~だよね?」と質問するのに否定疑問文を使います。例えば。
「え、リンゴ食べれなかったんじゃないの?」
「これ、可愛くない?」
のように、日本語でもよく使います。
「じゃないの?」と確認する
否定疑問文の作り方は、普通の疑問文の作り方と同じです。
⇒「普通の疑問文の作り方」
では否定疑問文を作ってみましょう。以下の英文を読んで下さい。これは否定文です。
You don’t play tennis. 「あなたはテニスをしない。」
don’tを文頭に移動し、文末にクエスチョンマークを付けて完成です。
Don’t you play tennis? 「あなたはテニスをしないの?」
はい。テニスをするか、しないかを質問しているという観点では同じですが、質問者の気持ちや予期している回答が変わります。例えば、
Do you play tennis? 「あなたはテニスをプレイするの?」
と聞くと、単に知らないから聞いているニュアンスで伝わります(※心の中では実は知っているということもある)。なので、聞き手がYes、Noどちらで返してくるかも予期していないニュアンスになります(心の中では実は予期していることはある)。一方、
Don’t you play tennis? 「あなたはテニスをプレイしないの?」
と聞くと、すると思ってたのになど意外な気持ちで聞いているニュアンスで伝わります。なので、聞き手がNoと答えてくるのをある程度予期しているニュアンスになります。
例えば、友達から「えー君、明日飲み会いかないの?」と聞かれたら、友達がどんな気持ちでそれを言っていて、どんな回答を予期しているかを考えて見て下さい。
「~だよね」と確認する
以下の英文を読んで下さい。
This isn’t pretty. 「これは可愛くない。」
isn’tを文頭に移動し、文末にクエスチョンマークを付けて完成です。
Isn’t This pretty? 「これ可愛くない?」
このように、否定疑問文の作り方は「じゃないの?」の場合とまったく同じですが、伝わるニュアンスがガラッと変わります。
「これ可愛くない?」=「可愛いよね?」という相手の同意を求めるニュアンスで伝わります。なので、聞き手がYesと答えてくるのを期待しているニュアンスになります。
あなたが友達から「ねー、このイアリング可愛くない?」と聞かれたら、友達がどんな気持ちでそれを言っていて、どんな回答を予期しているかを考えて見て下さい。
実際のセリフを聴いてみましょう。
⇒「セリフ「可愛くない?」」
⇒「セリフ「本当だよな?お前たち」」
「~じゃないの?」「~だよね」は必ずしも相手から返事を貰いたいと思って言っているとは限りません。意外な気持ちを表現したかったり、自分が思っていることを他の人に分かってもらいたいがために独り言のようにいうときがあります。
なお、文の構造からどちらの意味かを判断することはできません。文脈や使われている単語からどちらの意味かを感じて下さい。
否定疑問文への答え方
否定疑問文への答え方は付加疑問文の場合と同じで、自分がこれから肯定文をいう時は先にYesを言い、これから否定文を言うときは先にNoを言います。
⇒「付加疑問文とは」
Don’t you play tennis? 「あなたはテニスをしないの?」
Yes, I do. 「いいえ、します。」
No, I don’t. 「はい、しません。」
Isn’t This pretty? 「これ可愛くない?」
Yes, this is. 「いいえ、可愛いです。」
No, this isn’t. 「はい。可愛くないです。」
日本語でうまく訳そうとするとYesが「いいえ」、Noが「はい」みたいになって混乱するので、厳密に否定疑問文の答えはYesが「はい」、Noが「いいえ」みたいに暗記してはいけません。自分がこれから肯定文をいう時は先にYesを言い、これから否定文を言うときは先にNoを言っているに過ぎない。そう覚えて下さい。
日本語では「はい or いいえ」で、まずは相手の問いかけを肯定または否定したあとに、自分の考えを述べるやさしいところがあります。これがあだとなって、日本人の混乱ポイントになっています。
willの否定疑問文
否定疑問文でよく使われる助動詞にwillがあります。以降の説明を読む前にwillの記事を読んでおくと分かりやすいと思います。
⇒「助動詞willとは」
以下の英文を読んで下さい。
Will you pass me the apple? 「リンゴを取ってくれる?」
上記英文を否定疑問文にすると以下になります。
Won’t you pass me the apple? 「リンゴを取ってくれませんか?」
「Will you~?」も「Won’t you~?」も依頼しているのは同じですが、「Won’t you~?」のほうは否定語が入っているので、「しない」というニュアンス、すなわち「しなくてもいい」ニュアンスが含まれます。「したくないならしなくてもいい」的な控えめで丁寧な依頼になります。
なお、won’tはwill notの短縮形です。
以下の英文を読んで下さい。
Would you pass me the apple? 「リンゴを取っていただけますか?」
これも丁寧な依頼になります。現在と過去には時間的な距離があります。依頼するときに時間的な距離は関係ありませんが、過去形にして相手との距離感を演出することで依頼な印象になります。