不思議の国のアリス24「アリスのくしゃみでビルが遠い彼方へ飛んで行く」
巨大化したアリスを見たビルは恐怖で逃げようとしましたが、ドードーに捕まり「君は絶好のチャンスを逃そうとしている」と言われました。
I am?
ボブ「俺が?」
You can be famous.
ドードー「君は有名になれる。」
I can?
ビル「俺がなれるの?」
Of course!
ドードー「もちろんさ。」
of courseには「当然だ」「当たり前だ」というニュアンスが含まれているので、使うときは注意が必要です。詳しくは次の記事を読んで下さい。
⇒「of courseの使用上の注意」
There’s a brave lad.
ドードー「勇敢な男がいる。」
ladはイギリス英語で男を呼ぶときに使います。
In you go now.
ドードー「いま、中へ」
このセリフのgo inは「中に入る」という意味です。
「中に」を強調するためにinを文頭に置いています。この場合、倒置が発生して主語と述語動詞が入れ替わりますが、主語が代名詞の場合は倒置は発生しないのでyou goのままになっています。
Nothing to it, old boy.
ドードー「なんてことはないさ、友よ」
Nothing to itは「なんてことはないさ」という意味のフレーズです。
old boyは主に先輩の意味で使いますが、ドードーが前の会でミスターラビットのことをold chapと呼んでいたように、イギリス英語ではold boyは仲の良い友達を指していると考えられます。
⇒「old chapのシーン」
Simply tie your tail around the monster’s neck and drag it out.
ドードー「君の尻尾をモンスターの首に巻き付けて、引きずり出すだけさ。」
この文は等位接続詞のandを使って以下の2つの文を繋いでいます。
⇒「等位接続詞andとは」
(A)Tie your tail around the monster’s neck.
(B)Drag it out.
Drag out~は「~を引きずり出す」という意味です。
But-But, governor.
ビル「で、でも、旦那」
Good luck, Bill.
ドードー「幸運を祈る。ビル」
ドードーがビルを煙突に押し込みました。
そしてアリスは。。
Achoo!
アリス「ハクション!」
achooはくしゃみの擬音語です。
Well, there goes Bill.
ドードー「ああ、ビルが行ってしまった。」
文頭に置くwellは色々な意味に解釈されます。驚いたときは「まあ」、安心したときは「やれ」、話を変えるときは「さて」など続く文によって解釈が異なります。何かを言う前のクッションくらいに考えましょう。
場所を強調するために、there(あそこ)、here(ここ)は文頭に置くことが結構あります。その場合、後ろの文は倒置が発生して主語と述語動詞が入れ替わります。ただし、主語が代名詞の場合は倒置は発生しません。
このセリフでは主語はBillの固有名詞なので倒置が発生しています。
Poor Bill.
アリス「可哀想なビル」
poorは「貧しい」という意味の他に「可哀想な」という意味でも使われます。