等位接続詞「or」「nor」の使い方。選択肢の文をつなげる。

2016年12月24日

本記事では等位接続詞の「or」と「nor」について説明します。接続詞とは、文と文をつなぐための品詞です。句や単語もつなげられます。

選択肢を並べるように文をつなげたいときがあります。例えば、

「ご飯にする?」

「お風呂にする?」

を1文ずつ区切って質問すると質問攻めみたいになりますが、「ご飯にする?お風呂にする?それとも私?」のようにつなげて質問すると選択肢の中から希望のものを選ぶことができます。そんなときに等位接続詞の「or」を使います。

なお、等位接続詞とは、2つの文を同じ重要度とする接続詞であり、並べる文の意味が対立していても問題ありません。

等位接続詞「or」

 

以降の説明はA文、接続詞、B文という順番で並んでいるものとして話を進めます。

接続詞

A or B「AかB」

orは選択肢のように文を並べるときに使う接続詞です。以下の英文を読んで下さい。

(A)You can choose an apple. 「あなたはリンゴを選択できる。」

(B)You can choose an orange.  「あなたはオレンジを選択できる。」

上記の英文をorでつなげると以下の英文になります。

You can choose an apple, or you can choose an orange.

「You can choose」が共通しているので省略して以下の英文にします。

You can choose an apple or an orange. 「あなたはリンゴかオレンジを選択できます。」

単語と単語をorでつなげることができました。

リンゴかオレンジを選択する

 

句と句をつないでみましょう。以下の英文を読んで下さい。

(A)I want to drive to Hakone. 「箱根までドライブしたい。」

(B)I want to climb Mt. Fuji. 「富士山に登りたい。」

上記の英文をorでつなげると以下の英文になります。

I want to drive to Hakone, or I want to climb Mt. Fuji.

「I want to」が共通しているので省略して以下の文にします。

I want to dirve to Hakone or climb Mt. Fuji. 「私は箱根までドライブするか、富士山に登りたいです。」

山を登るか、ドライブか

 

節と節をつないでみましょう。以下の英文を読んで下さい。

(A)Would you like a bath? 「お風呂はいかがですか?」

(B)Would you like dinner? 「ご飯はいかがですか?」

(C)Would you like me? 「私はいかがですか?」

上記の文をorでつなげると以下の英文になります。

Would you like a bath, Would you like dinner, or Would you like me?

「Would you like」が共通しているので省略すると以下の文になります。

Would you like a bath, dinner, or me? 「お風呂、ご飯、私のどれかいかが?」

選択肢が3個以上になったらカンマでつないで最後にorをつけるのは他の等位接続詞と同じです。

お風呂に入る

A(命令文) or B「AしないとBになる」

等位接続詞「and」の記事で、Aを命令文にすると、Bが結果(命令文のとおりにした結果)になることを説明しました。このときB文は聞き手にとって望ましい結果になります。⇒「andとは

Buy apples, and you can eat it every day.

「リンゴを買いなさい。そうすれば、毎日リンゴを食べられるよ。」

一方、Aを命令文にしてorで文をつなぐ場合、B文は聞き手にとって望ましくない結果になります。つまり、脅しのような文です。

Put your coat on , or you will catch a cold.

「コートを着なさい。そうしないと風邪を引くよ。」

風邪を引く

either A or B「AかBのどちらか一方」

不定代名詞「either」の記事で「どちらか一方」の文について説明しました。⇒「eitherとは

eitherを形容詞として使い、orで文をつなぐことで「どちらか一方だけ(両方選べないよ)」を強調できます。

You can choose either an apple or orange.

「あなたはリンゴかオレンジかどちらか一方を選択できます。」

「Either A or B」が主語の場合は人称はBに合わせます。例えば、以下の文ではheの三人称に合わせて動詞はhasになります。⇒「人称とは

Either you or he hasan apple. 「あなたと彼のどちらかがリンゴを持っている。」

A nor B 「AとBどちらも~ない」

否定文をつなげて「どちらも~ない」と表現するときは等位接続詞「nor」を使います。以下の英文を読んで下さい。

(A)I don’t like oranges. 「私はオレンジが好きではない。」

(B)I don’t like watermelons. 「私はスイカが好きでない。」

上記の文をnorでつなげると以下の文になります。

I don’t like oranges, nor do I like watermelons. 「私はオレンジもスイカも好きではない。」

Bの文がいつもと違くない?

はい。そうなんです。norの後ろのB文はnotを付けなくても否定文になるので肯定文に直します。また、B文が節になる場合は助動詞を主語の前に置くルールになってます(倒置)。文が助動詞を持たない場合はdoを主語の前に置きます。

腹が立つルールですが覚えましょう。

混乱

 

先ほどの英文はもともと「I don’t like」が共通しているので省略して以下の英文のように書けます。

I don’t like oranges nor watermelons. 「私はオレンジもスイカも好きではない。」

このほうが分かりやすいですね。とここで、以下の英文を読んで下さい。

I don’t like oranges or watermelons. 「私はオレンジもスイカも好きではない。」

え!norとorが同じ意味?

そうなんです。否定文でorが使われた場合、norと同じ「どちらも~ないという」という意味になります。そう考えると、紛らわしいnorはいらないと思ってしまいますね。

orとnorの使い分けについて現代英語語法辞典には以下のように記載されています。

or, nor

否定表現の後の位置で、連結される要素が同種であればor、別種のものであればnorが用いられる。

The Senator has no power or influence to win passage of the bill.(その上院議員には法案の通過を勝ち取る力も影響力もない)

The Senator has no power nor desire to obtain passage of the bill.(その上院議員には法案の通過を勝ち取る力も意欲もない)

 

とっさに種類を判断して使い分けるのは難しそうですね。というか、オレンジとスイカは同種と考えていいのだろうか。別の種類の果物ですが、果物という観点では同じみたいな。。何か分かったら追記します。

ネイティブの方は、否定であることを明確に伝えたいときはnorを使うそうです。確かに、長い2つの文でorを使うと、否定として表現したことが肯定と勘違いされることがありそうです。

neither A nor B「どちらも~ない」

否定文を続けるとき、Aはnotを付けて、Bはnotを付けないってややこしいと思いませんか。そんなときはAにneitherをつけて両方の文をnot無しにします。以下の英文を読んで下さい。

I don’t like oranges nor watermelons. 「私はオレンジもスイカも好きではない。」

「don’t」を「neither」に変えて以下の文にします。

I neitherlike oranges nor watermelons.  「私はオレンジもスイカも好きではない。」

notを使わずに否定文をつなげることができました。

スイカもオレンジも食べたくない

 

eitherと同じように、「Neither A or B」が主語の場合は人称はBに合わせます。

Neither you or he hasan apple. 「あなたと彼のどちらもリンゴを持っていない。」