従位接続詞「as」のまとめ。「同時」「同じ」が基本イメージの多機能な接続詞。
本記事では従位接続詞「as」について説明します。従位接続詞とは、従属節が主節を補足するようにつなぐ接続詞です。
asは「同時」「同じ」という基本イメージから派生させて様々な意味で使われる接続詞です。
as「~のとき」
以下の英文を読んで下さい。
The telephone rang as I got home.
「家についたとき、電話が鳴った。」
このように、主節と従属節の内容が同時に行われるときにasを使います。whenは2つの文に時間差があってもいい表現ですが、asは時間的にかなり接近しているものとして聞き手に伝わります。
whenとの違いは次の記事を参照して下さい。⇒「whenとは」
as「~しながら」
以下の英文を読んで下さい。
He ate an apple as he was playing tennis.
「彼はテニスをしながらリンゴを食べた。」
このように、主節と従属節の内容が同時に行われている様子をもとに、従属節を「~しながら」という意味で主節を補足させることがあります。
whileを使っても同じ意味の文が作れますがニュアンスが若干違います。whileは「他にやっていること」に意識が置かれ、asは「同時」に意識が置かれます。
⇒「従位接続詞whileとは」
He ate an apple while playing tennis.
as「~なので」
以下の英文を読んで下さい。
As he was hungry, he ate an apple.
「彼は空腹だったので、リンゴを食べた。」
このように、主節の理由を従属節が説明するときにもasを使います。理由を表す従属節が主節と「同時」に行われている様子を感じましょう。
becauseとの違いは次の記事を参照して下さい。⇒「becauseとは」
as「~だけど」
以下の英文を読んで下さい。
Full as he was, he ate apple.
「満腹だったけど、彼はリンゴを食べた」
このように、譲歩の意味でもasが使われます。ただし、この意味で使われるときはasの前に形容詞が置かれるのが特徴です。従属節が主節と「同時」に行われている様子を感じましょう。
thoughとの違いは次の記事を参照して下さい。⇒「thoughとは」
as「~のように」
以下の英文を読んで下さい。
He ran as you said.
「あなたの言うように彼は走った。」
このように「~のように」といった意味でもasが使われます。主節と従属節が「同じ」であることを感じましょう。
asと同じ「~のように」の意味で使われる単語にlikeがあります。asとlikeの違いは現代英語語法辞典には以下のように記載されています。
asはやや文語的な感じがするので、くだけた会話体では通例like, the wayが用いられる。
Like I said, she was seven or eight years old.
引用元: 現代英語語法辞典(三省堂)
要するに、会話ではlikeを使い、文章ではasを使いましょう。
likeと聞くと「~が好き」という動詞をイメージしますが、他にも形容詞(~似ていて)、前置詞(~のような)、副詞(およそ、たぶん)、接続詞(~のように)、名詞(似た人)など様々な用法があります。それについは、またの機会に説明します。
as if「まるで~のように」
以下の英文を読んで下さい。
He ate as if he didn’t eat anything for one days.
「まるで1日何も食べていなかったように、彼は食べた。」
何かに酷似していることを強く表現したい場合にはas if「まるで~のように」を使います。主節と従属節が「同じ」であることを感じましょう。
as「~につれて」
以下の英文を読んで下さい。
As the days passed, his belly became bigger.
「日が経つにつれ、彼の腹は大きくなった。」
「~につれて」という刻々と変化するものを表現したいときにもasを使います。主節と述語節が「同時進行」で行われることを感じましょう。
as「~のとおり」
以下の英文を読んで下さい。
As you know, He likes apples.
「知ってのとおり、彼はリンゴが好きだ。」
このように「~のとおり」といった意味でもasが使われます。主節と従属節が「同じ」であることを感じましょう。
as「~として」
asは接続詞だけではなく前置詞にも使えます。以下の英文を読んで下さい。
I raised him as his father.
「私は彼の父として彼を育てた。」
このようにasの意味はたくさんありますが、すべての意味を暗記するのではなく、「同時」や「同じ」という基本イメージを持ちながら、そこから派生する意味を2つの文から導き出しましょう。