時や条件を表す副詞節の使い方の注意点。未来のことは現在形で表現する。
本記事では時や条件を表す副詞節の使用上の注意について説明します。以降の説明を読む前に従位接続詞の記事を読んでおくと分かりやすいと思います。⇒「whenとは」「whileとは」、「after、beforeとは」「ifとは」
今までの記事で従属接続詞を使って2つの文をつなぐ方法を説明してきました。従位接続詞にも種類があり、「~すること」、「~だから」、「~のとき」などなど、接続詞によって主節を補足するときの従属節の意味が異なります。
さらに従属節が時や条件を表す副詞節の場合、否定文にできなかったり、未来のことを現在形で表現するなどの決まりがあります。
時や条件を表す副詞節は未来のことを現在形で表現する
I’ll finish playing tennis beforeyou come here.
「あなたが来る前に、私はテニスを終えるでしょう。」
上記の文は「あなたが来る」と「私はテニスを終えるでしょう。」の2つの文が従位接続詞beforeでつなげられています。両方とも未来のことを言っています。
2つの文を見ると、主節は助動詞willを用いた未来形で、従属節は現在形のままになっています。
(主節)I’ll finish playing tennis. 「私はテニスを終えるでしょう。」
(従属節)you come here. 「あなたがここに来る。」
と思った人、ナイス気づきです。従属節も未来のことを言っているのでwillを使うような気がしますが、、使いません。時や条件の接続詞(when, ifなど )で作った副詞節は未来のことを現在形で表現するルールなのです。
ルールと言われても納得いかないですよね。もう少し掘り下げて説明します。
時制の代表的なものとして現在形、過去形、未来形があります。過去形は動詞の原形にedをつけたりして活用された語ですが、未来形は動詞の原形に助動詞をくっつけるだけです。すなわち、そもそも未来形というものは存在せず、助動詞willを置いた結果、未来の表現になったということになります。なので、意味がおかしくなるところにwillを置く必要はありません。
willは蓄積された経験をもとに生み出される「予想」や「意志」を動詞に加える助動詞なので、「~の前」や「もし~なら」という仮の断定表現の中にwillを入れると違和感を感じるようになったらバッチリです。⇒「willとは」
下表は、他の従位接続詞を使った条件や時を表す副詞節の使用例
接続詞 | 例文 |
---|---|
before | I'll finish playing tennis before you come here. あなたが来る前に私はテニスを終えるでしょう。 |
after | I'll finish playing tennis after you come here. あなたが来た後に私はテニスを終えるでしょう。 |
when | I'll finish playing tennis when you come here. あなたが来た時に私はテニスを終えるでしょう。 |
while | I'll finish playing tennis while you are here. あなたがここにいる間に私はテニスを終えるでしょう。 |
if | I'll finish playing tennis if you come here. あなたがここに来るなら私はテニスを終えるでしょう。 |
as soon as | I'll finish playing tennis as soon as you come here. あなたがここに来たらすぐに私はテニスを終えるでしょう。 |
名詞節や形容詞節は未来のことをwillで表現できる
時や条件を表す従属節全部がwillを使えないわけではありません。使えないのは副詞節です。名詞節や形容詞節はwillを使って表現できます。以下の英文を読んで下さい。
「私はあなたがいつ来るのか知っている。」
時を表す副詞節は否定文にできない
以下の英文を読んで下さい。
I’ll finish playing tennis before you don’t come here.
「私はあなたが来ない前にテニスを終えるでしょう。」
異変に気が付いた人、ナイス気付きです。「あなたが来ない前」っていつの前やねんという結果になります。このように、時の副詞節を否定文にして意味が通じない文にしてしまわないように注意しましょう。
といっても、時を表す副詞節は否定文にしてはいけないというルールは無いので、時を表す副詞節を否定文にしても意味の通じる文があるのかも知れません。何か分かったら追記します。
とりあえず、混乱するので時を表す副詞節を否定文にして使うのは控えましょう。
なお、条件を表す副詞節は否定文にできます。
I’ll finish playing tennis if you don’t come here.
「あなたが来ないなら私はテニスを止めるでしょう。」