前置詞ofの使い方。所属、所有、原因、分量、材料を表現する。

2017年8月2日

この記事では前置詞のofについて説明します。前置詞とは何かについては次の記事を参照して下さい。
⇒「前置詞とは

of(所属)

前置詞ofの基本イメージは「所属」です。

Apple Giants is a team of the baseball league.

「アップルジャイアンツは野球リーグのチームです。」

The bird is the player of Apple Giants.

「鳥はアップルジャイアンツの選手である。」

このように「A of B」が「BのA」という訳になるのが基本です。「of~」が直前の単語を修飾することで、その単語が何のことかが明確になります。

アップルジャイアンツ

 

Apple Giants’ playerとどう違うの?

一般論としては、「~’s」は人、動物、時間の情報で名詞を修飾するときに使われます。(例:Taro’s bat、today’s weather forecast)。

一方、「of~」は物、非生物の情報で名詞を修飾するときに使われます。(例:the number of houses)。

また、集団、組織は「~’s」でも「of~」でも使われます(例:Apple Giants’ player / player of Apple Giants’、Japan’s map / the map of Japan)。

ただし、この場合ニュアンスが若干異なり、「~’s」が使われる場合は集団、組織を「変化する存在」として捉えていることを意味し、ofが使われる場合は集団、組織を「物(変化しない存在)」として捉えているニュアンスになります。

上記は一般論であり、厳密に考えて「~’s」と「of~」を常に使い分けている人はいません。フォーマルな文は「of~」、くだけた文は「~’s」を使ったり、「〜の〜の」で「~’s」や「of~」が連続するのを避けるために2つを混ぜて使ったりします。なので「~’s」、「of~」のどちらを使うべきかあまり悩まなくても大丈夫です。

Pit knew Taro’s decision of studying abroad.

「ピットは太郎の留学の決意を知った。」

atの所属との違いは次の記事を参照して下さい。学生が通う学校はatを使って表現します。
⇒「atの所属

of(所有)

所属の基本イメージから派生して「所有」を表現するのに使います。

Pit stared at the bat of the Apple Giants.

「ピットはアップルジャイアンツのバットを見つめた。」

バットを見つめる

of(部分)

所属の基本イメージから派生して「部分」を表現するのに使えます。「部分 of 全体」という書き方になります。

Two of the team brought a glove.

「チームのうちの2人がグローブを持参した。」

グローブを持参

of(特徴)

所属の基本イメージから派生して「特徴」を表現するのに使えます。「A of ~」で「~なA」という意味になります。

He is a player of power.

「彼は力の強い選手だ。」

The player is of value.

「この選手は価値がある。」

ofの前に名詞が無いけどいいの?

ofの直後に抽象名詞が置かれる場合のみ形容詞的な捉え方をして、補語の位置に「of~」を置けるルールになっています。

抽象名詞が置かれるということは、必然的にofが「特徴」の意味のときになります。しかし、「特徴」のofが全てこの使い方ができるわけではないので注意して下さい。ofの後ろが抽象名詞では無い場合はofの直前に名詞が必要です。

力のある選手

of(原因)

所属の基本イメージから派生して「原因」を表現するのに使えます。

The bird’s grandmother was died of too fat.

「鳥の祖母は太り過ぎで死んだ。」

原因のofとともに使う動詞はdieしか聞いたことがないのですが、他に使える動詞を知っている方がいれば教えてもらえると幸いです。

of(同格)

ofを使って同格を表現することができます。

同格とは、「名詞」と「その名詞の言い換え」の2つを並べたもののことで、「AというB」の意味になります。詳しくは次の記事を参照して下さい。
⇒「同格とは

Pit has a talent of a pitcher.

「ピットはピッチャーの才能を持っている。」

ちなみに前置詞asを使って同じような表現ができます。

Pit has a talent as a pitcher.

「ピットはピッチャーとしての才能を持っている。」

ofを使ったほうは、才能(of以下でどんな才能なのかの説明)があることに焦点が当たっていて、asを使ったほうは、「太郎はピッチャーであり、さらにその才能がある」というニュアンスになります。

of(分量)

「全体の中の一部分」のイメージから派生して「分量」を表現するのに使えます。

Let’s eat a piece of apples before the game.

「試合の前に一切れのリンゴを食べよう。」

一切れのリンゴ

of(材料)

「全体の中の一部分」のイメージから派生して「材料」を表現するのに使えます。

This glove is made of crocodile skin.

「このグローブはワニの皮でできている。」

前置詞fromの材料との違いは次の記事を参照して下さい。
⇒「前置詞fromの材料

ワニの皮でできたグローブ

 

「他動詞 目的語 of ~」

「他動詞 目的語 of~」の構造のとき、「A of B」が「BのA」のように後ろから修飾する意味にならないことがあります。ofの特殊な使い方として覚えておきましょう。以下にいくつか例を挙げます。

■通知

構造例文
inform A of B
「AにBを知らせる」
Taro informed Pit of the members of the opposition.
「太郎はピットに対戦相手のメンバーを知らせた。」
remind A of B
「AにBを思い出させる」
Pit reminded them of the days of practice.
「ピットは彼らに練習の日々を思い出させた。」

 

■要求(Bが要求する相手になることに注意して下さい)

構造例文
demand A of B
「AをBに要求する」
Pit demanded more information of Taro.
「ピットに太郎は更なる情報を求めた。」
ask A of B
「AをBに頼む」
Pit asked this matter of Taro.
「ピットはこの問題を太郎に頼んだ。」

 

■分離

構造例文
cure A of B
「AのBを治す」
Taro cured Jiro of his muscle pain.
「太郎は次郎の筋肉痛を治した。」
rob A of B
「AからBを奪う」
The bird robbed the lion of his bat.
「鳥はライオンからバットを奪った。」

鳥がライオンのバットを奪う