前置詞atの使い方。長さや幅は関係無しに一点を指す。

2017年7月29日

この記事では前置詞のatについて説明します。前置詞とは何かについては次の記事を参照して下さい。
⇒「前置詞とは

at(一点)

atの基本イメージは「一点」です。長さや幅は関係無しに一点を指すのに使います。

Taro’s house is at Apple-cho 8-2-1.

「太郎の家はリンゴ町8丁目2-1にある。」

 

前置詞

 

指すものの大きさは関係ありません。どんなに大きくても、どんなに小さくても大丈夫です。

Pit pointed at matchbox.

「太郎はそのマッチ箱を指さした。」

 

マッチ箱を指す

 

想像を絶する大きなものでもその場所をピンポイントで指すときはatを使います。

Pit pointed at Tokyo.

「太郎は東京を指さした。」

地図で場所を指す

at(目標)

「一点」のイメージから派生して、目標を表現するのに使います。方向を表すtoを使うよりも標的を定めている感が強いニュアンスになります。

Pit aimed at Taro with a gun.

「ピットは太郎を銃で狙った。」

銃で狙う

at(所属)

「場所を指す」イメージから派生して、所属を表現するのにも使います。

Taro is a student at Apple University.

「太郎はアップル英会話教室の学生です。」

ofとどう違うの?

of または at を「~の」という意味で使うとき、ofは「所有」、atは「いる場所」の意味的な軸があります。

大学が生徒を所有しているわけではない、学生として学校で勉強している(学校にいる)というニュアンスから at を使います。学生の立場を尊重した良い表現ですね。

一方、所有されているものを表現するときはofを使います。例えば、会社員は会社に所有されているので以下の文になります。

Taro 's father is an employee of the Apple company.

「太郎の父親はアップル社の社員です。」

at(原因)

「一点を指す」イメージから派生して、感情の起伏の原因を表現するのときにも使われます。心動かされた点を指すイメージです。

Pit was surprised at Taro’s score.

「ピットは太郎の得点に驚いた。」

ちなみに、byを使っても同じような意味になりますがニュアンスが異なります。be surprised at~は対象物を見たり聞いたりして驚くというニュアンスです。surprisedを形容詞とした能動態と考えるとイメージしやすいです。

一方、be surprised byは「~される」という意味の受動態で、対象物に驚かされるニュアンスになります。このようなニュアンスの違いはあるものの、atでもbyでもどちらを使っても問題はありません。byを使うと驚いた原因が際立つくらいに考えて下さい。

Pit was surprised by the thunder.

「ピットは雷に驚かされた。」

太郎の高得点に驚く

at(従事)

「一点を指す」イメージから派生して、現在携わっている仕事や作業を表現するのに使われます。短期的な作業のニュアンスになります。

Pit is at dinner in his room.

「ピットは部屋で夕食をとっている、」

食事中

at(状態)

「一点を指す」イメージから派生して、特定の状態を表現するのにも使います。

Taro understood at a glance that Pit was full.

「太郎はピットがお腹いっぱいであることが一目見て分かった。」

お腹いっぱいなのが一目でわかった

at(能力)

「一点を指す」イメージから派生して、特定の能力を指すときにも使います。

Pit is poor at drawing.

「ピットは絵を描くのが苦手だ。」

Pit is good at driving.

「ピットは運転が得意だ。」

車でジャンプ台からジャンプ

at(速度)

「一点を指す」イメージから派生して、速度を表現するのにも使います。速度メーターの一点を指すイメージです。

Pit ran his car at 60 mph.

「ピットは時速60マイルで車を走らせた。」

Pit eat apples at the rate of 30 a week.

「ピットは1週間あたり30個の割合でリンゴを食べる。」

スピードメーター

at(価格)

「一点を指す」イメージから派生して、1ついくらの価格を表現するのにも使います。

価格を表現するときは前置詞のforを使って、

Pit bought apples for 1200 yen.

「ピットはリンゴを1200円で買った。」

のように表現するイメージがありますが、「1ついくら」という単価の表現ではatを使うことができます。

Pit bought apples at 120 yen per each.

「ピットはリンゴを1個120円で買った。」

また、at はat five o’clock のように 「時点」を表す前置詞であり、その基本的性質は目的語に値段がくる場合も同じです。例えば at $100 は 「100ドルの時点で」 というニュアンスになります。そのため、atは価格が変動するものに使うのが適しています。

Pit bought an apple at $1.

「ピットはリンゴが1ドルの時点で買った。」

リンゴを買う

at(時)

「一点を指す」イメージから派生して、時の一点を表現するのにも使われます。主に時刻の表現に使われることが多いです。

A baseball games start at 9 AM.

「野球の試合が午前9時に始まる。」

特定の期間中のことを時の一点ととらえてatを使うこともあります。

A baseball games start at night.

「野球の試合が夜に始まる。」

at 9 AMは「午前9時ちょうど」のことを意味します。午前9時前後の表現は以下のようにします。

日本語英語
午前9時少し前just before 9 AM
午前9時少し後just after 9 AM
slightly after 9 AM
午前9時ごろaround 9 AM

 

時を表現するのに使う前置詞にはat、on、inがあります。使い分けを下表にまとめておきます。

前置詞説明
at
一点
時刻の表現に使われる。特定の期間中のことを時の一点ととらえてatを使うこともある。
A baseball games start at 9 AM.
「野球の試合が午前9時に始まる。」
A baseball games start at night.
「野球の試合が夜に始まる。」
on
接触
日付や曜日の表現に使われる。
We'll play baseball game on July 15.
「私たちは7月15日に野球の試合をする。」
We'll play baseball game on Saturday.
「私たちは土曜日に野球の試合をする。」
in
~の中
週年月、世紀など長い期間の表現に使われる。
A baseball league match will be held in summer.
「野球のリーグ戦が夏に行われる。」
An apple festival will be held in 2020.
「リンゴフェスティバルが2020年に行われる。」