動名詞の使い方。動詞を名詞に変えて、主語、目的語、補語として使う。

2017年2月24日

本記事では動名詞について説明します。動名詞とは、動詞を名詞に変えた単語のことをいいます。

走ることは楽しい。」、「食べることは幸せだ。」など、ものの動きを「~すること」といった名詞で表現したいと思うことがあります。

そんなときは動詞のスペルを変化させて動名詞を作ります。

動名詞

 

動詞を動名詞に変えるときのルール

現在進行形のルールと同じように、動名詞を作るときは動詞の原形に「ing」を付けます。単語の語尾によって語尾を変えてからingを付ける必要がありますが、そのルールも現在進行形のルールと同じです。⇒「現在進行形のルール

名詞はS(主語)、V(述語)、O(目的語)、C(補語)のうちの何になれるか覚えているでしょうか。そうです。S、O、Cになれます。動名詞も普通の名詞と同じようにS、O、Cになれます。⇒「S、V、O、Cとは

SVOCになれる品詞の対応表

 

動名詞をS(主語)にして使ってみましょう。以下の英文を読んで下さい。

Eating is happy. 「食べることは幸せだ。」

「食べる」が「食べること」になり主語として使われています。次はO(目的語)にしてみましょう。以下の英文を読んで下さい。

He enjoyed eating. 「彼は食べることを楽しんだ。」

「食べること」が文型SVOの目的語になっています。次はC(補語)にしてみましょう。以下の英文を読んで下さい。

His purpose was eating. 「彼の目的は食べることだった。」

「食べること」が文型SVCの補語になっています。さらに、動名詞は前置詞の後ろにも置くこともできます。以下の英文を読んで下さい。

He sleeps for 30 hours without eating. 「彼は食べずに30時間眠る。」

このように~ing形は、現在進行形としてbe動詞の後ろに置かれる以外にも、文のいたるところに現れます。

 

現在進行形と動名詞の見分けかた

現在進行形と動名詞の見分けがつかない!

以下の英文を読んで下さい。

①His purpose is eating. 「彼の目的は食べることだ。」

②He is eating. 「彼は食べている。」

両方ともbe動詞のうしろに~ingが置かれていますが、①は動名詞「~すること」、②は現在進行形「~している」として使われています。

どちらで使われているかを見分ける方法は、残念ながら文の構造のみで見分ける方法はありません。自然な翻訳になるほうを採用しましょう。

ただし、人称代名詞(I、We、You、Theyなど)が主語でbe動詞 +~ingときたら、現在進行形と考えていいです。⇒「人称代名詞とは

生物以外は動名詞になるという噂が出ることがありますが、生物以外でも現在進行形として使われることがあります。

My refrigerator is working. 「私の冷蔵庫は動いている。」

動名詞か現在進行形か分からずに読解に失敗しそうだと心配になりますが、英文を読みまくって経験を積んでいくうちに、文脈と主語から「~すること」、「~している」の自然に訳せるほうが頭の中に入ってくるようになります。

動名詞は目的語を持てる

以下の英文を読んで下さい。

He didn’t like eating. 「彼は食べることが好きではなかった。」

オレンジを食べることが好きではないを表現したい。そんなときは動名詞の後ろに目的語を置きます。

He didn’t like eating oranges. 「彼はオレンジを食べることが好きではなかった。」

以下の英文のように修飾語をつけることもできます。

He didn’t like eating oranges after dinner. 「彼は夕食後にオレンジを食べることが好きではなかった。」

オレンジを食べたくない

動名詞は主語を持てる

さらに、動名詞の直前に所有格を置くことで、動名詞の主語を表現できます。

He didn’t like my eating oranges after dinner. 「彼は夕食後に私がオレンジを食べることが好きではなかった。」

「食べること」をしている人が「私」になりました。

何で動名詞が主語や目的語を持てんの?

動詞の周りにS、V、O、Cを置ける力を動名詞が引き継いでいるからです。下図は動名詞に変化させる前の英文です。主語、目的語、修飾語が動詞の周りにあります。

動名詞に変える前

 

eatを動名詞に変化させると下図のようになります。動名詞になっても周りの構造が保たれていることが分かります。ただし、動名詞の主語は所有格(my、yourなど)にします。これは、動名詞の主語が主格(IとかYouとか)のままだと、文の主語と混ざってわけがわからないためこうなったと筆者は考えてます。

そして、動名詞にくっついている主語、動名詞、目的語、修飾語のカタマリを1つの名詞として使うことになります。

動名詞に変化させたあと

文の主語と動名詞の主語が同じ場合、動名詞の主語は書きません。また、言わなくても明らかに分かっている場合も動名詞の主語は書きません。

動名詞の否定

動名詞を否定する場合は動名詞の前にnotを置きます。以下の英文を読んで下さい。

He didn’t like my eating oranges after dinner. 「彼は夕食後に私がオレンジを食べることが好きではなかった。」

この文の動名詞を否定すると以下になります。

He didn’t like not my eatingoranges after dinner.「彼は夕食後に私がオレンジを食べないことが好きではなかった。」