ピーターパン7「分別のない物語を長女のウェンディが弟たちに教えていることについてジョージが怒る」
ジョージがウェンディを部屋に呼びました。
Would you kindly..
ジョージ「頼むから、、」
kindlyは普段は「親切な」「優しい」といった意味で使いますが、Will you~?やCan you~?などの依頼文で使うときは、please「お願いだから」と同じ意味になることがあります。このセリフは嫌味のようなお願いです。
Oh, Mother!
ウェンディ「あ、お母さん!」
You look simply lovely.
ウェンディ「実に美しいわ。」
simplyは「単に」という意味の他に、直後の単語を強調する意味でも使われます。ちなみに、simplyは文中の置かれる位置で意味が微妙に変わります。
⇒「simplyの場所と意味」
「単純に見ても美しい」⇒「実に美しい」
Thank you, dear.
メアリー「ありがとう」
dearは仲の良い人を呼ぶときに使います。
Wendy.
ジョージ「ウェンディ」
Just my old gown made over, but it did turn out rather nicely..
メアリー「ただ私の古いドレスを仕立て直しただけなの、でも、むしろ良くなったわ。」
この文は等位接続詞のbutを使って以下の2つの文を逆接でつないでいます。
⇒「等位接続詞butとは」
(A)Just my old gown made over.
(B)It did turn out rather nicely.
このセリフのmake overは「仕立て直す」という意味です。
このセリフのturn outは「~になる(結果になる)」という意味です。
このセリフのdoはturn outを強調するために置いています。本当に良くなったと思う気持ちが伝わってきます。
Mary, if you don’t mind.
ジョージ「メアリー、もし良ければ。」
if you don’t mindは「もしあなたが気にしないならば」⇒「もしよければ」という意味です。
Why, Father, what have you done to your shirt?
ウェンディ「まあ、お父さん、シャツに何をしたの?」
疑問代名詞のwhatを使った疑問文です。
⇒「疑問代名詞とは」
現在完了形を使っているのは、シャツに何かをしてその状態が続いていることを表現するためです。What did you do to your shirt?と言っても意味は通じますが、これは過去のある時点に関する質問であり、今はシャツがどうなっているかには意識はいきません。
⇒「現在完了形とは」
この文のwhyは疑問詞ではなく間投詞です。驚きや承認を表したり、「えっと」のように考えているときの表現に使います。
What have I…? Oh!
ジョージ「私が何をしたかって?おー!」
シャツに自分(ジョージ)で絵を描いたような質問をされて、悲しみました。
Now, George, really, it comes right off.
メアリー「さて、ジョージ、実際はすぐに落ちるわ。」
Nowは「さて」、「では」などの意味で話を切り替えるときに、文頭に置くことがあります。
このセリフのcomes offは「取れる」という意味です。
That’s no excuse.
ジョージ「それは言い訳にならない。」
汚れがすぐに落ちれば、シャツを汚してもいいということではない。ということを言っています。
Wendy, Haven’t I warned you stuffing the boys’ heads with a lot of silly stories.
ジョージ「ウェンディ、子供たちの頭に分別のない物語を詰め込むことを警告したよね?」
現在完了形の否定疑問文です。自分の経験を疑問文にして相手の同意を求めています。
⇒「現在完了形とは」
⇒「否定疑問文とは」
Haven’t I warn you~? や Haven’t I told you~? は「私~っていったよね?」といった質問で相手に注意するようなときに使います。
warnは以下の構造をとれます。
(1)warn 人 「人に警告する」
(2)warn 人 of~「人に~を警告する」
(3)warn 人 to~「人に~するように警告する」
(4)warn 人 that~「人に~だと警告する」
なので、このセリフはofが抜けた文法的に間違っているセリフと考えられます(英語専門家の方にも確認してもらっています)。お父さんは興奮して間違ったのかも知れませんね。正しくは以下の文になります。
Wendy, Haven’t I warned you of stuffing the boys’ heads with a lot of silly stories.
boysのような複数形の所有格はboys’sではなく、boys’と書きます。
Oh, but they aren’t.
ウェンディ「え、でも、そんなんじゃないわ。」
butは通常、文頭に置いてはいけないというルールがあり、代わりにHoweverを使いますが、会話では気にせずにButから始める人は多いです。
ウェンディはジョージが言った「分別のないストーリー」を否定しています。