使役動詞make、have、get、letの使い方。不定詞と一緒に使って「~させる」を表現する。

2017年3月14日

使役動詞とは

使役動詞とは、「~させる」という意味で使う動詞の中のmake、have、get、letのことをいいます。

そもそも「使役」という言葉自体、日常会話でほとんど使わないですよね。ゲームに負けてコンビニに買い出しに行かされる「お使い役」かと思いました。使役の意味についてgoo辞書には以下のように記載されています。

人を使って何かをさせること。働かせること。「牛馬のごとく―する」

上記の意味の動詞をすべて使役動詞とすると、force「Oに強制的に~させる」、cause「Oに~させる」、allow「Oが~するのを許す」なども使役動詞に分類されそうな気がしますが、これらは使役動詞には分類されません。

使役動詞と言われるものはmeka、have、get、letの4つだけです。

使役動詞

make「(強制的に)~させる」

使役動詞の中で一番強制力のある動詞がmakeです。「(強制的に)~させる」という意味になります。

使役動詞のmakeを使った文構造は以下になります。つまり第5文型です。⇒「文型とは

使役動詞makeの語順

「SはOにCさせる」という訳になります。

原形不定詞という見慣れないものが出てきました。不定詞には「to 不定詞」と「原形不定詞」という2種類があり、「to 不定詞」は動詞の原形の直前にtoを置いたもの、「原形不定詞」はtoを置かない動詞の原形のことをいいます。

そもそも不定詞とは何で、何が不定なの?という感じの人は次の記事を読んで下さい。
⇒「不定詞とは

このように、使役動詞を使った場合は、目的語のあとにいきなり動詞の原形がくるので混乱しやすいですが、述語動詞がmake、have、letだったら原形不定詞を疑いましょう。

PitmadeTaroclean his room.

訳「ピットは太郎に彼の部屋を掃除させた。」

使役動詞 I made him to clean my room.

have(当然のごとく)~させる

使役動詞の中で二番目に強制力のあるのがhaveです。「(当然のごとく)~させる」という意味になります。

使役動詞のhaveを使った文構造は以下になります。動詞が違うだけで文構造はmakeと同じです。

使役動詞have

PithadTaroclean his room.

訳「ピットは太郎に彼の部屋を掃除させた。」

使役動詞 I had him to clean my room.

get「(なんとか)~させる」

使役動詞の中で二番目に強制力のあるのがgetです。「(なんとか)~させる」という意味になります。説得やお願いをしてさせるイメージです。

使役動詞のgetを使った文構造は以下になります。getの場合は原形不定詞ではなくto不定詞を使います。

使役動詞get

PitgotTaroto clean his room.

訳「ピットは太郎に彼の部屋を掃除させた。」

使役動詞 I got him to clean my room.

let「(自由に)~させる」

使役動詞の中で一番強制力が弱いのがletです。「(自由に)~させる」という意味になります。強制というよりは「させてあげる」というニュアンスです。やりたいなら自由にやっていいよみたいな感じ。

使役動詞のletを使った文構造は以下になります。letはmakeとhaveと同様に原形不定詞を使います。

使役動詞let

PitletTaroclean his room.

訳「ピットは太郎に彼の部屋を掃除させた。」

ちなみにletの活用はスペル変化しません。let(現在形)⇒let(過去形)⇒let(過去分詞)

使役動詞 I let him to clean my room.

なぜ原形不定詞を使うのか

なんで原形不定詞使うの?to不定詞に統一でいいじゃん。

私もそう思います。make、have、letもto不定詞を使うようにルールを変更したほうがスッキリしていいと思います。

統一だ

遠い昔、みんな原形不定詞が使われていましたが、それが進化してto不定詞が使われるようになったと言われています。進化せずに取り残されたのが、make、have、letの3つ。

なぜ取り残されたのか? 前置詞のtoには「その方向に向かせる」という意味が含まれます。make、have、letには、その方向に向かせる必要などない絶対的な優位性を感じます。なので、プライドが進化を妨げたのではないかと筆者は考えています。

他の「~させる」という意味の動詞はすべてto不定詞が使われます。toが入ることで「その方向を向かせる」ニュアンスを感じながら読みましょう。

Pit forced Taro to clean the room. 「ピットは太郎に部屋を掃除させた。」

Pit caused Taro to clean the room. 「ピットは太郎に部屋を掃除させた。」

Pit allow Taro to clean the room.「ピットは太郎が部屋を掃除するのを許した。」

受動態にするとtoが現れる

使役動詞のmakeは受動態にして「~させられた」とう意味で使うことがよくあります。その場合は原形不定詞ではなくto不定詞を使います。させられる側の表現なのでプライド関係なく、方向を向かせられた感を感じますね。

Taro was made to clean his room by Pit.

「太郎はピットに部屋をきれいにさせられた。」