不思議の国のアリス50「川岸で座っているところから始まった不思議な体験の説明がなかなか進まない」
アリスは不思議な体験を帽子屋と三月ウサギに説明しようとしますが、なかなか説明できません。
And now, my dear, as you were saying?
帽子屋「ところで、お嬢さん、話を続けてくれるかな?」
And nowは「ところで」と言って話を切り替えるときに使います。
my dearは仲の良い友達を呼ぶときに使います。
as you were sayingは話を続けて欲しいときに言います。
Oh, yes. I was sitting on the riverbank with ah.. with you-know-who.
アリス「あ、はい。例のあの人と川岸で座っていたの。」
過去のある時点において、その時まさにしていたことを表現するために過去進行形を使っています。
⇒「未来進行形とは」
with you know whoと聞くと、語順がおかしいと感じますが、you-know-whoを「例のあの人」という意味の名詞句として使います。主に、はっきりと名前を言わなくても聞き手に伝わる人を指します。
I do?
帽子屋「私が?」
アリスが「you know who」と言ったことに対して「私が知っている人?」と帽子屋が言っています。先ほど、アリスが飼い猫のことを話してネズミをビックリさせてしまったので、ネズミにばれないようにアリスが話していますが帽子屋はとぼけているようです。
I mean my c-a-t.
アリス「つまり、私のC、A、Tよ。」
I meanは自分で言ったことに対して、「つまり~」や「ていうか~」の意味でつなぎます。自分の言うことをまとめる以外にも、言ったことを訂正したり、補足したりするのに使われます。
日本語は猫のことを「ね、こ」と言ったら何のことを言っているかバレてしまいますが、英語は「シー、エー、ティー」のようにつづりを読むと、普通に読んだときと発音が異なってバレづらくなるので便利ですね。
Tea?
帽子屋「お茶?」
「シー、エー、ティー」のティーをtea(お茶)としました。ナイスです。
Just half a cup, if you don’t mind.
三月ウサギ「ちょうど半カップ、もしよければ」
catをcut(切る)として、cut teaでティーカップを半分に切る。うまい。
if you don’t mindは「もしあなたが気にしないならば」⇒「もしよければ」という意味です。
飲み物を薦められたときにJust half a cupと言うと、「全部入れると悪いので少しでいいよ」のように遠慮していると思われることがあるそうです。
Come, come, my dear. Don’t you care for tea?
帽子屋「これこれ、お嬢さん。お茶は好きじゃないの?」
否定疑問文を使って「~じゃないの?」と聞いています。
⇒「否定疑問文とは」
my dearは仲の良い友達を呼ぶときに使います。
care for~は疑問文や否定文では「~が欲しい」や「~が好き」という意味で使うことがあります。
Why, yes, I’m very fond of tea, but..
アリス「あ、いいえ、私はとてもお茶が好きだわ、でも。。」
Yesなのに日本語訳は「いいえ」になっていることに違和感を感じた人、ナイス気づきです。
日本語では通常、質問に対して肯定、否定したあとに自分の考えを述べはじめますが、英語は自分の考えが肯定文ならYes、否定文ならNoを頭につけて答えます。詳しくは否定疑問文の記事を読んで下さい。
⇒「否定疑問文とは」
この文のwhyは疑問詞ではなく間投詞です。驚きや承認を表したり、「えっと」のように考えているときの表現に使います。
fond of~は「~が好き」という意味です。
If you don’t care for tea, you could at least make polite conversation.
三月ウサギ「もしお茶が欲しくないなら、愛想よく会話でもしたらどう?」
従位接続詞のif(もし~なら)を使った副詞節が主節を補足しています。
⇒「従位接続詞ifとは」
at leastは「少なくとも」という意味の副詞句でmakeを修飾しています。
can at least~で「少なくとも~できる」⇒「~くらいしろ」という意味になります。そして、このセリフのcouldは過去のことを言っているのではなく、距離感を取ってきつい表現を和らげるためのcouldを使っています。
⇒「助動詞canとは」
Well, I’ve been trying to ask you..
アリス「まあ、私はあなたたちに尋ねようとしてきたわ。。」
文頭に置くWellは色々な意味に解釈されます。何かを言う前のクッションくらいに考えましょう。このセリフのWellは、驚いたときの「まあ」です。
現在完了形と進行形を合体させた現在完了進行形です。前からずっと継続してやってきた印象が強く伝わります。
⇒「現在形とは」