前置詞beyond、past、despite、againstの使い方。
この記事では前置詞のbeyond、past、despite、againstについて説明します。前置詞とは何かについては次の記事を参照して下さい。
⇒「前置詞とは」
beyond(越える)
beyondの基本イメージは「越える」です。物理的な高さを越えるのではなく、範囲を越えている表現で使います。
There is a Pit’s house beyond the bridge. 「橋の向こうにピットの家がある。」
yondはyonder(あそこに)が由来なので、be yonder、つまり「向こう側にある」というニュアンスがあります。そのため「こちら側から向こう側へ」というニュアンスはbeyond自体は持ち合わせていません。
例えば、「太郎は敷地を越えて掃除をした。」のような英文ではbeyondではなくoverを使うのが適切です。
× Taro cleaned up beyond the premises.
〇 Taro cleaned up over the premises.
ただし、go beyondのように動詞と組んだ際に「こちら側から向こう側へ」という意味合いになることはあります。
The rumor went beyond the town.
「その噂は町を越えていった。」
beyond(不可能)
「越える」イメージから派生して、不可能を表現するのに使います。
Your story is beyond a jokes.
「君の話は笑いごとではない。」
It is beyond my imagination.
「それは私の想像を絶する(想像できない)。」
His ability is beyond comparison.
「彼の能力は比較にならない(比較できない)。」
past(過ぎる)
pastの基本イメージは「~を過ぎる」です。場所や時間が過ぎたことを表現します。
It’s half past five.
「5時半だ。」
Taro walked past the barber.
「太郎は床屋を通り過ぎて歩いていった。」
pastを使った場合は「歩いている」という動作に焦点があるので、歩いていたら床屋を通り過ぎたというニュアンスになります。一方、byを使った場合は「通り過ぎる」という動作自体に焦点があります。
ちなみに、beyondで紹介した例文 Your story is beyond a jokes.の「beyond a joke」は慣用句としてよく使われる表現ですが、past a jokeでも使えます。
Your story is past a jokes.
「君の話はただ事ではない。」
despite(にもかかわらず)
despiteの基本イメージは「~にもかかわらず」です。逆境のような状況に影響されていないことを表現します。話し手には驚きのニュアンスが多少込められています。
Taro helped clean Pit’s room despite his busyness.
「太郎は忙しいにもかかわらずピットの部屋を掃除するのを手伝った。」
against(対立)
againstの基本イメージは「対立」です。ものとものとが向かい合って、力がかかっているイメージです。
Taro leaned against the wall.
「太郎は壁に寄りかかった。」
Pit threw a ball against the wall.
「ピットはボールを壁に投げつけた。」
against(反対)
対立のイメージから派生して、相手の意見や提案に対して反対を表現するときに使われます。
Taro is against Pit’s strategy for the baseball game.
「太郎はピットの野球の作戦に反対である。」
ちなみに、賛成はforです。
⇒「前置詞forとは」
against(備える)
対立するイメージから派生して、危険に対して備えておく表現で使われます。
Pit stocked up apples against disaster.
「ピットは災害に備えてリンゴを買いだめした。」