TOEIC 応答問題(Part 2)の特徴と着目ポイント

本記事ではTOEICリスニングセクション「Part 2 応答問題」の仕様と特徴について説明します。

応答問題とは

応答問題とは、質問に対して応答として成立する文を3つの選択肢の中から1つだけ選ぶ問題です。

質問はあなたに対するものではなく、見知らぬ人が見知らぬ人に対して投げかけている質問です。例えるなら、あなたが街を歩いているときに、見知らぬ二人が会話しているところにたまたま通りかかったような状況です。

AさんがBさんに質問しているのをあなたは耳にしました。それを聞いたあなたはBさんがどんな答えをAさんに返せば応答として成立するのかを当てるようなイメージです。

鳥と太郎が話をしている

 

以下のような文が音声で流れます。

When do you think he will come?

(A)In two hours.

(B)The third floor.

(C)He likes eating meat.

 

「いつ彼がくると思いますか?」という質問に対し、「A:2時間後かな」、「B:3階かな」、「C:彼は肉を食べるのが好き」という選択肢の中から応答として成立する文を選ぶとAであることがすぐに分かります。

もし以下の文のように、質問の最初の部分が聴き取れなかった場合どうなるでしょうか。

(  ) do you think he will come?

最初にWhereと言っていたとするとBが答え、Whyと言っていたとするとCが答えになります。このように、セリフの冒頭を聞き逃してしまうと、応答として成立する文を選ぶのが難しくなることが多いです。

応答問題では言い始めをしっかりと聴くことに集中しましょう。

応答問題で使われる文の種類

応答問題で使われる文の種類の傾向を調べるために公式問題集5冊(テスト10回分)を集計しました。

応答問題は疑問文に対する応答が9割を占めますが、その他にも平常文や否定文を使って意見や話題を投げかけたり、命令文を使って命令したりすることがあります。命令文の場合はPleaseをつけた丁寧な命令になります。なお、「Let’s~」は命令文、「間接疑問文」は平常文としてカウントしています。

文の種類回数割合
疑問文219回87.3%
平常文27回10.8%
命令文5回2.0%
否定文3回1.2%

 

疑問文の種類を細かく見てみましょう。

文の構造意味掲載回数
Whyなぜ~?
~はどうですか?
22回
付加疑問文~だよね?
~じゃないよね?
22回
Howどのように~?
どのくらい~?
~はどう?
19回
Whereどこに~?
どこで~?
19回
Whenいつ~?18回
否定疑問文~じゃないの?
~でない?
18回
Will
Would
~する?
~がいい?
~しませんか?
~してくれませんか?
17回
Who誰が~?
誰に~?
16回
Can
Could
~してくれる?
~してもいい?
~しない?
~しようか?
15回
Is
Are
~なの?13回
What何時に~?
何が~?
何の~?
何を~?
11回
Do
Did
~なの?11回
Whichどの~?8回
Should~すべき?4回
Whose誰の~?2回
Have~した?2回

 

疑問文の中では5W1H(when、where、who、what、why、how)が50%を占めています。全体的に5回に2回は疑問詞で質問される感じです。

付加疑問文や否定疑問文による問いかけも結構出てくるので慣れておく必要があります。

付加疑問文とは、平常文で話したあとに「~だよね?」という相手の同意を求めるような質問で終わる疑問文です。

「あなたは今日会社に行った、、よね?」

のように日本語でもよく使われます。話し手が言ったことが正しいか正しくないかが判別できる回答をする必要があります。付加疑問文について詳しくは次のページを読んで下さい。
⇒「付加疑問文とは

否定疑問文とは「~じゃないの?」と意外な気持ちを持って相手に聞いたり、相手の同意を求めるときに「~だよね?」と質問するのに使われます。応答問題では「~じゃないの?」という意味で使われることが圧倒的に多いです。

「まだ宿題やってないの?」

のように日本語でもよく使われます。否定疑問文について詳しくは次のページを読んで下さい。
⇒「否定疑問文とは

このように、5回に2回は疑問詞ですが、その他は疑問詞以外の疑問文、平常文、否定文、命令文が出てきます。言い始めは聞き逃さないように集中しつつ、文全体から話し手が何を聞きたい(言いたい)のかをとっさに判断することを意識しながら問題を解きまくって感覚を磨きましょう。

鳥と太郎の話を聞く

応答問題の注意事項

以下の英文を読んで下さい。

Who will pick up Taro from the station? 「誰が太郎を駅に迎えに行くの?」

この質問に対する応答を教科書どおりに考えると、「三郎が行くよ」など人の名前を答えると考えられますが、TOEICの応答問題ではこのような答えにならないことが多いです。例えば以下のような応答です。

He is taking a taxi. 「彼はタクシーを使うよ。」

この文は「誰も太郎を迎えに行かない」ことを暗示していることが分かります。

教科書ではYes、Noで答えるような質問もYes、Noを言わずに応答することも多いです。以下の英文を読んで下さい。

Can we try the restaurant tonight?

「今夜あのレストランに行ってみない?」

教科書どおりなら、YesやNoを最初に言ってから話をしますが、以下のように応答したりします。

I went there yesterday.

「昨日行ったよ。」

この文は「No, I won’t go.(いいや、行かない)」を暗示していることが分かります。つまり、be動詞、助動詞を先頭に疑問を投げかけたからといって必ずYes、Noが返されるとは限らない。また、5W1Hを先頭に疑問を投げかけたからといって必ず、それに対応した回答(場所、時間、理由など)が返されるとは限らないのです。

考えると、私たち日本人も相手の質問に対して教科書どおりの回答にならないことが多いですね。場合によっては、質問に対して質問で返すこともあります。以下の英文を読んで下さい。

Which do you buy apples or oranges?

「リンゴとオレンジどちらを買いますか?」

How much does each cost?

「それぞれいくらかかりますか?」

どちらを買うか聞かれたけど、価格を聞いてから決めたいと思って質問で返したシーンです。このように、応答問題は教科書どおりの応答ではなく、聞き手の聞きたいこと(言いたいこと)を把握した上で、柔軟に応答できる能力があるかが試されるテストでもあります。

その他の細かい注意点は、疑問詞とbe動詞の短縮形が使われてたり、発音が似ている単語を混ぜて混乱させようとします。同じ発音が聞こえたからといって、それが答えとは限らないので注意しましょう。

Where’s the class being held?

「その授業はどこで行われていますか?」

(A)It’s my glasses.

(B)In the gymnasium.

(C)Yes, the third floor.

まとめ

応答問題とは、質問に対して応答として成立する文を3つの選択肢の中から1つだけ選ぶ問題です。セリフの冒頭を聞き逃してしまうと、応答として成立する文を選ぶのが難しくなることが多いので、言い始めをしっかりと聴くことに集中しましょう。

疑問文に対する応答が9割を占め、その他に平常文や否定文を使って意見や話題を投げかけたり、命令文を使って命令したりすることがあります。

教科書どおりの応答にならないことが多いです。聞き手の言いたいことを把握した上で、柔軟に応答することを意識しながら、問題を解きまくって感覚を磨きましょう。