TOEICのリーディングで使われる単語の傾向を確認する
本記事ではリーディングセクションに出てくる単語の傾向について説明します。
リスニングと同様に、リーディングの内容も仕事に関するものがほとんどです。具体的にどのような単語がよく出題されるのかを、リスニングとリーディングの比較をしながら見てみましょう。
検証は「TOEIC公式問題集1」と「TOEIC公式問題集2」の2冊の単語を集計して行いました。全単語の集計結果は次のページを見て下さい。
⇒「リーディング全単語」
単語数の合計は以下のようになりました。
リスニング | リーディング |
18579個 | 21421個 |
リーディングの方が試験時間も長いし、長文を読むので単語数はリスニングよりもかなり多い、それこそ倍近くになるのではないかと思っていた人もいるかも知れません。しかし、結果はリーディングのほうがリスニングよりも多いものの、その差は1.15倍だけです。
試験時間はリスニング45分、リーディング75分なので、単位時間あたりに何個の単語を対処するのかを計算すると、リスニングは1分あたり413個(=18579個 ÷ 45分)、リーディングは286個(=21421個 ÷ 75分)。何と、リーディングよりもリスニングのほうが単位時間あたりに処理しなければならない単語の数が多いのです。
次に単語の種類を見てみましょう。
リスニング | リーディング |
1997種類 | 3002種類 |
リーディングのほうがリスニングよりも単語の種類が1000種類以上多いことが分かりました。種類が多いぶん難易度の高い単語に出くわすことも多くなります。ただし、この種類には人名や地名も含んでいるので、今回の公式問題集を読み解くために必要な単語の種類という観点では数はもっと減ります。
まとめると、リーディングは単位時間あたりに対処する単語数はリスニングよりも少ないけど、難易度の高い単語に出くわす可能性はリスニングよりも高いということになります。
具体的な単語を見てみましょう。下表は掲載回数の多い単語トップ20です。
順位 | リスニング | リーディング | ||
単語 | 割合 | 単語 | 割合 | |
1 | a | 1025 | the | 1065 |
2 | the | 1019 | to | 704 |
3 | to | 612 | a | 659 |
4 | is | 472 | of | 432 |
5 | I | 434 | is | 428 |
6 | do | 352 | in | 364 |
7 | you | 320 | and | 332 |
8 | will | 302 | for | 328 |
9 | have | 268 | will | 301 |
10 | of | 251 | it | 250 |
11 | what | 231 | be | 229 |
12 | be | 207 | have | 190 |
13 | it | 205 | you | 185 |
14 | are | 186 | that | 176 |
15 | we | 179 | at | 174 |
16 | for | 176 | I | 164 |
17 | in | 175 | what | 159 |
18 | that | 174 | on | 154 |
19 | on | 160 | are | 150 |
20 | at | 154 | your | 127 |
リスニングでは掲載回数トップの冠詞「a」が、リーディングで順位を3位に下げました。理由は、話し言葉の方が書き言葉より冠詞のaを使うことが多いからというのではなく、単に、リスニングの選択肢が句や節になっているものが多く、そこに冠詞が含まれることが多いからと考えられます。
その他、リーディングではIやdoや使われる回数が少ないなどの違いはありますが、リスニングではほとんど使われない単語が、リーディングでいきなり上位に登場する単語はありません。
ちなみに、リスニングではよく使われるけどリーディングでは全然使われない単語にman、woman、listener、speakerがあります。リスニングでは問題文で「男は何をしましたか?」「話し手はどこに行きましたか?」と聞くことが多いためです。
21位以降も基本単語がしばらく続き、40位を過ぎたあたりからbusiness、companyなどのビジネスシーンで使いそうな単語が出始めます。リスニングのときと同じですね。
ビジネスシーンで使う頻出単語はリスニングでも、リーディングでも同じように出てきます。つまり、リスニング、リーディングで単語を分けて対策する必要はないということが検証結果からよく分かります。
ちなみに、e-mailはリスニングでは掲載回数が12回(232位)でしたが、リーディングでは39回(59位)で大きく増加しました。このことから、リーディングには電子メールに関する問題が多いことが分かります。
順位 | 単語 | 掲載回数 |
40 | business | 62 |
42 | company | 56 |
54 | service | 43 |
57 | provide | 41 |
59 | 39 | |
63 | order | 39 |
65 | office | 38 |
72 | employee | 36 |
73 | product | 36 |
80 | customer | 33 |
83 | information | 32 |
86 | web | 32 |
88 | manager | 31 |
91 | purchase | 31 |
99 | build | 28 |
104 | staff | 28 |
5W1Hでよく使われる単語もリスニングと同じで、疑問代名詞のwhatが一番使われます。
順位 | 単語 | 掲載回数 |
17 | what | 159 |
79 | who | 34 |
87 | when | 32 |
149 | why | 22 |
157 | how | 20 |
255 | where | 14 |
まとめ
リスニングと同様に、リーディングの内容も仕事に関するものがほとんどです。
リーディングは単位時間あたりに対処する単語数はリスニングよりも少ないけど、難易度の高い単語に出くわす確率はリスニングよりも高いです。
頻出単語はリスニングでも、リーディングでも同じように出てくるので、リスニング、リーディングで単語を分けて対策する必要はありません。
リーディングは知っている単語が多くしてサクサク読めるようになるのが理想です。ビジネスシーンの単語を中心に単語を覚えまくりましょう。