従位接続詞「although」「though」の使い方。「~だけど」、「~にもかかわらず」という意味で主節を補足する。
本記事では従位接続詞の「although」、「though」について説明します。従位接続詞とは、従属節が主節を補足するようにつなぐ接続詞です。
「満腹にもかかわらず、リンゴを食べた。」
「テニスはできるけど、サッカーはできない。」
など、「~だけど」、「~にもかかわらず」という意味で主節を補足したいときがあります。そんなときにalthoughやthoughを使います。以降の説明を読む前に従位接続詞「that」の記事を読んでおくと分かりやすいと思います。⇒「従位接続詞とは」
although, though「~だけど」「~にもかかわらず」
以下の英文を読んで下さい。
(A)He ate apples. 「彼はリンゴを食べた。」
(B)He was full. 「彼は満腹だった。」
上記の文をalthoughでつなぐと以下の英文になります。
「彼はお腹いっぱいだけどリンゴを食べた。」
このように、主語+動詞を伴う文の先頭にalthoughまたはthoughを置けば、「although(またはthough)+文」のカタマリを「~だけど」、「~にもかかわらず」という意味の副詞節として使うことができます。
なお、他の従位接続詞ではカタマリを名詞節として扱う方法がありましたが、although、thoughは副詞節のみです。
althoughやthoughで作った節は「譲歩節」と呼ばれます。goo辞書には「譲歩」について以下のように記載されています。
・譲歩
《他の人に道を譲るの意から》自分の意見や主張を押さえて相手の意向に従ったり妥協したりすること。
引用元: goo辞書「譲歩」
譲歩節の「譲歩」は、主節と控えめに対立し主節を補足するイメージです。ちなみに、譲歩に似ているものに「逆接」がありますが、逆説は主節と強い対立を表します。
He was full butate apples. 「彼は満腹だったけどリンゴを食べた。」
althoughとthoughの違い
この2つの接続詞は同じ意味なので「どっちかに統一してくれ!」と思いますが、使われ方に違いがあります。
現代英語語法辞典ではalthoughとthoughの違いについて、以下のように記載されています。
though, although
口語やくだけた書き言葉ではthoughが好まれ、althoughは比較的堅い語で文語的な響きがある。
格調の高い書き言葉でも好音調によってthoughが好まれることがある。一般に短いつづりのthoughの方がよく用いられるが、その選択は文体やリズムによることが多い。
引用元: 現代英語語法辞典
つまり、話すときや気軽な文章ではthoughを使い、論文のような文章ではalthoughを使っておけば間違いないです。
主節の前後どちらに置くかで伝わり方が変わる
以下の2つの文を読んで下さい。
(A)「途中で居眠りしたけど、彼は一生懸命勉強したよ。」
(B)「彼は一生懸命勉強したよ、途中で居眠りしたけどね。」
この2つの文は同じことを言っていますが、AとBで伝わってくる印象が異なります。
Aは「居眠りしてしまったけど頑張って勉強した。」という前向きなイメージが伝わります。一方、Bは勉強した事実をいったあとに、勉強したことに対して少しケチをつけたような印象になります。
英語も同じです。つまり、主節を主張したい場合は、主節を後ろにおきましょう。
Although he dozed off, he studied hard.
「居眠りしたけど、彼は一生懸命勉強した。」
従属接続詞「but」も同じようなことが言えます。⇒「butとは」
even thoughで強調する
thoughの前にevenを付けると副詞節が強調されて、「たとえ~であっても」という意味になります。「~だけど」や「~にもかかわらず」との違いが分かりづらいですが強調されているだけです。以下の英文を読んで下さい。なお、althoughの前にevenを付ける使い方はありません。
(A)Even though he is full, he can eat apples .
「たとえ満腹でも、彼はリンゴを食べることができる。」
(B)Though he is full, he can eat apples .
「満腹だけど、彼はリンゴを食べることができる。」
AとB両方とも満腹であることは同じですが、Aのほうは満腹であることが強調されることで、主節の逆境に打ち勝った感をより強く感じます。
even if も「たとえ~であっても」という意味ですが、2つの意味は大きく違います。以下の英文を読んで下さい。
(C)Even if he is full, he can eat apples.
「たとえ満腹でも、彼はリンゴを食べることができる。」
Aのeven thoughは「~だけど」の強調なので、彼がすでに満腹であることが分かります。一方、Cのeven ifは「もし~」の強調なので、実際に彼が満腹かどうかはこの文からは判断できません。同じ訳でも伝わってくるイメージが大分違いますね。
as「~だけど」
いろんな文法に登場するas。「~だけど」という意味の接続詞としても使われます。
ただし、「~だけど」という意味で使われる場合はasの前に形容詞が置かれるのが特徴です。
Full as he was, he ate apple.
「満腹だったけど、彼はリンゴを食べた」