同格の使い方。名詞を2つ並べて言い換えたり、具体的に説明したりする。

本記事では同格について説明します。

同格とは、「名詞」と「その名詞の言い換え、または、具体的に説明する語句」の2つを並べたものを言います。同じ格付けのものが並ぶイメージです。「世界一ハンサムな犬、ピット」、これも同格です。

ピットのお面を付ける太郎

「名詞 名詞」の同格

では、同格を使った文を作ってみましょう。以下の英文を読んで下さい。

My friendiscaring person.

「私の友達は世話好きだ。」

上記文のままでも問題ありませんが。自分の友達、そして名前が誰なのかを言いたいときがあります。そんなときにMy friendの隣りに名前を置きます。

My friend Taroiscaring person.

「私の友達、太郎は世話好きだ。」

この「My friend」と「Taro」が同格です。My friendを言い換えてTaroと言っています。この2つを「同格の関係にある」と言います。私たち日本人も同格を普通に使ってます。今言った「私たち日本人」、これも同格の関係です。

もちろん、同格を使わずに以下の文のように関係代名詞を使って言うこともできますが、同格を使ったほうが文をシンプルにできます。

Taro which is my friendiscaring person.

マッサージをしてあげる太郎

「代名詞 名詞」の同格

代名詞の後ろに名詞を置いた同格も作れます。以下の英文を読んで下さい。

Heiscaring person.

「彼は世話好きだ。」

Heの後ろにTaroを置いて完成です。

He Taroiscaring person.

「彼、太郎は世話好きだ。」

扇風機の風を当てる太郎

後ろの名詞をカンマで挟む

後ろの名詞は名詞句や名詞節を置くこともできます。長くなるときはカンマで挟んで読みやすくします。以下の英文を読んで下さい。

Taroscreamed in shock.

「太郎は悲鳴を上げた。」

太郎の後ろに動名詞を使った名詞句(a man watching Pit from the ground)をカンマで挟んで置きます。

Taro, a man watching Pit from the ground,screamed in shock.

「太郎(地上からピットを見ている男)は悲鳴を上げた。」

この感じ、どこかで見た覚えがないでしょうか?そうです、挿入です。挿入を使って同格を作っています。
⇒「挿入とは

「名詞 名詞節」の同格

名詞の後ろに名詞節を置いた同格も作れます。以下の英文を読んで下さい。

(A)Taro knows the fact.「太郎はその事実を知っている。」

(B)Pit likes apples.「ピットはリンゴが好きだ。」

Bの文を従位接続詞のthatを使った名詞節に変え、Aの文の後ろに置いて完成です。

Taroknowsthe fact that Pit likes apples.

「太郎はピットがリンゴが好きだという事実を知っている。」

「the fact」と「that Pit likes apples」が同格の関係です。

一見、第5文型(SVOC)の文かと思ってしまいますが、これは第5文型ではなく第3文型(SVO)です。理由は、第5文型のOとCは「O=C」という関係がありますが、そうは言っても相互に入れ替え自由な関係ではなく、独立した役割を担っています。しかし、この文は「the fact」と「that Pit likes apples」が完全に同じものになるので第5文型には当てはまりません。

また、同格の関係にできる名詞はfact(事実)、decision(決心)、chance(機会)など、知識、情報系の単語だけです。他にもたくさんあるので興味があるかたは調べてみて下さい。

太郎はピットがリンゴが好きだという事実を知っている

「名詞節 名詞」の同格

文の後ろに名詞を置く同格もあります。文を要約させるような使い方です。

Taro helped the elderly cross at a pedestrian crossing.

「太郎はお年寄りが横断歩道を渡るのを助けた。」

文末にダッシュ(―)を置いて同格を作ります。文が途切れているわけではないのでダッシュの後ろは小文字で始めます。

Taro helped the elderly cross at a pedestrian crossing ― the legend’s story.

「太郎はお年寄りが横断歩道を渡るのを助けた―伝説の話」

太郎が横断歩道でお年寄りを助ける

「名詞 of 名詞」の同格

前置詞のofを使った同格も作れます。ofと言えば「~の」という所有の意味で使うイメージがありますが、同格の場合は「AというB」の意味になります。以下の英文を読んで下さい。

Taro has a habit.「太郎は趣味を持っている。」

the factの後ろに「of 名詞」を置いて完成です。今回は動名詞を使った名詞句(eating melons)を置きます。

Taro has a habit of eating melons.

「太郎はメロンを食べる習慣がある。」