TOEIC 説明文問題(Part 4)の特徴と着目ポイント
本記事ではTOEICのリスニングセッション「Part 4 説明文問題」の仕様と特徴について説明します。リスニングセッションの最後のパートです。
説明文問題とは
説明文問題とは、一人の話を聴いたあとに、その内容についての質問に答える問題です。説明文は全部で10個、各説明文につき3つの質問に答えるので、全部で30個(=10個×3問)の質問に答えることになります。
説明文を読む人は男性、女性が半々です。男性、女性交互に話すことが多いです。
話し手 | 割合 |
---|---|
男性 | 50% |
女性 | 50% |
以下は説明文の例です。英語で淡々と語られます。
上記の説明文を聴いたあと会話の内容に関する質問に答えます。
(質問)
話し手は誰と考えられますか?
(選択肢)
(A)ニュースキャスター
(B)スポーツ選手
(C)市の公務員
(D)建築士
Part3と同じように、質問と選択肢は問題用紙に英語で記載されています。質問の音声も流れますが、時間節約のために質問の音声が流れるのを待たずに、質問と選択肢を読んでどんどん先に進み、時間が余ったら次の説明文の質問を読むのに使いましょう。
説明文の種類
説明文の傾向を調べるために公式問題集2冊(テスト4回分)を集計しました。いつもより問題集の冊数が少ないですが、後日、もう1冊ぶんを集計結果に追加する予定です。
下表が説明する相手の集計結果です。説明する相手は特定の1人に対しての場合と、複数人に対しての場合があります。複数人に向けた説明のほうが圧倒的に多いです。
説明する相手 | 出現回数 |
---|---|
一人 | 9回 |
複数人(不特定多数) | 31回 |
下表は説明文の種類別に集計した結果です。
説明文の種類 | 出題回数 |
---|---|
社内会議での発表 | 11回 |
テレビやラジオ放送でイベント告知 | 7回 |
会社から顧客全体へのお知らせ | 6回 |
会社から従業員全体へのお知らせ | 5回 |
留守番電話のメッセージ(会社から顧客へ) | 3回 |
留守番電話のメッセージ(会社の同僚へ) | 3回 |
留守番電話のメッセージ(会社の社員から別会社の社員へ) | 2回 |
留守番電話のメッセージ(顧客から会社へ) | 1回 |
記者会見 | 2回 |
1人に対しての説明は留守番電話のメッセージのみです。顧客から会社、会社から顧客、会社から会社など説明相手が様々なので、話についていけるように話し手と聞き手の関係を探りながら聴くのがオススメです。
一方、複数人に対しての説明は、社内会議、テレビやラジオ放送、広告、従業員へのお知らせなどシチュエーションは様々です。
このように、説明文問題もビジネスに関するもののみ出題されるので、頭の中は常にビジネスモードです。なお、説明文の仕事の内容を知らなくても話についていけるので安心して下さい。
問題の種類
次にどんな問題が出題されるのか説明します。下表は集計結果です。
問題の種類 | 出題回数 |
---|---|
話し手の言っていることについて | 84回 |
話し手の職業、職場、担当を当てる | 8回 |
話のあとに何をするか | 4回 |
話をしている場所を当てる | 1回 |
話し手の発言の意図、示唆していることを当てる | 7回 |
聞き手が誰なのかを当てる | 5回 |
図表問題 | 11回 |
出題される問題はPart3(会話問題)と良く似ているので、話し手が二人から一人に減ったと考えて、同じ流れで回答できます。Part3の説明の繰り返しになりますが、このページの最初の図書館の説明文に関する例題を解きながらどんな問題が出るのか確認しましょう。
「話し手の言っていることについて」は、話し手が言った内容を正確に捉え、その内容や理由を答えられるかが試される問題です。問題です。新しい図書館を建設する理由は何ですか?
(A)この市に図書館が存在しないから。
(B)今ある図書館の老朽化が進んでいるから。
(C)予算が余っているから
(D)市民の要望が多いから
「話し手の職業、職場、担当を当てる」は、説明文の中に職業、職場、担当の名前は出てきませんが、内容をもとにそれを予想できるかが試されます。問題です。話し手は誰と考えられますか。
(A)ニュースキャスター
(B)スポーツ選手
(C)市の公務員
(D)建築士
「話のあとに何をするか」は、説明文の最後の発言などをもとに、会話のあとの行動を予想できるかが試されます。問題です。話し手はこのあと何をすると考えられますか。
(A)別の話題に移る
(B)予算を説明する
(C)資料を配る
(D)休憩をとる
「話をしている場所を当てる」は、説明文の中に場所の名前は出てきませんが、内容をもとに場所が予想できるかが試されます。
この問題はPart3に比べて出にくいと考えられます。なぜなら、話し手が二人の場合は、一人が目的を持ってもう一人のいる場所に訪れて話をするので、会話から場所を特定しやすいですが、話し手が一人の場合は、話の中に場所を特定できるものが含まれにくいからです。
問題です。話し手はどこにいると考えられますか。
(A)会議室
(B)休憩所
(C)レストラン
(D)スポーツジム
「話し手の発言の意図、示唆していることを当てる」は、特定の発言について何を意図して言っているのかを判断できるかが試されます。
問題です。「昔から沢山の人が利用してくれた愛着のある図書館ではありますが」は何を示唆していますか。
(A)別の施設として利用する方法を考えたい
(B)競売に出したい
(C)すぐに今ある図書館を取り壊したい
(D)できればこのまま図書館を使い続けたい
「聞き手が誰なのかを当てる」は、説明文の中に聞き手の職業などの名前は出てきませんが、内容をもとにそれを予想できるかが試されます。
問題です。聞き手は誰と考えられますか。
(A)記者
(B)トレーナー
(C)教師
(D)市の公務員
まとめ
説明文問題とは、一人の話を聴いたあとに、その内容についての質問に答える問題です。
1人への説明は留守番電話のメッセージのみです。複数人への説明は、社内会議で発表、テレビやラジオ放送でのイベント告知、広告、従業員へのお知らせなど色々あります。
Part3と同様に、話し手が言った内容を正確に捉え、その内容や理由を答えられるかが試されます。また、内容をもとに話し手、聞き手が誰なのか、話し手が意図していること、説明のあとの行動などを予想する力が試されます。
話し手が置かれている状況や気持ちを感じ取りながら、説明文問題を解きまくって感覚を磨きましょう。