不定代名詞「each」の使い方。「それぞれ」、「めいめい」を表現する。
本記事では不定代名詞の「each」について説明します。eachは「それぞれ(めいめい)」を意味する代名詞です。
each「それぞれ(めいめい)」
それぞれ、めいめいと同じような言葉に「おのおの」、「ひとつひとつ」があります。この4つの使い方についてgoo辞書には以下のように記載されています。
◇「持っていく荷物のそれぞれ(おのおの)に名札をつける」のようにひとつひとつの意では相通じて用いられる。
◇「それぞれ」は、「人それぞれに好みが違う」のように、複数の人や物の個々を異なるものとしてとらえる傾向がある。この場合に「おのおの」を使うのは適当でない。
また、「それぞれ」は人や物だけでなく事柄についても用いて、「料理、洋裁それぞれに才能を発揮する」などという。◇「おのおの」は、「会員のおのおのが意見を言った」のように、ひとりひとり、ひとつひとつを同列に扱って、個を含んだ全体という意味合いがある。
◇「めいめい」は、人についてのみ使う。全体を問題とせず、ひとりひとりという意味で使う。「切符はめいめいお持ち願います」
引用元: goo辞書「それぞれ」
eachは、人と物の両方に使うことができ、全体は意識せずにひとつひとつを意識する表現です。なので日本語の「おのおの」という意味は含んでいないことが分かります。
以下の英文を読んで下さい。
Each of the apples has a face. 「それぞれのリンゴは顔を持っている。」
eachは全体をイメージせずに、物体を1つずつ着目する表現なので単数形として扱います。上記英文では「of the apples」という複数のリンゴを表す修飾句が付いていますが、主語のEachを単数形として扱うため動詞がhasに変化します。⇒「主語が三人称の場合の動詞の変化について」
Eachを形容詞として使うと以下の英文になります。
Eachapple has a face. 「それぞれのリンゴは顔を持っている。」
「Each of the apples」は「複数のリンゴのそれぞれ」、「Each apple」は「それぞれのリンゴ」、どの単語が主語なのかに着目して単数形にするか、複数形でいいかを考えましょう。
any「どれも」との違い
以下の英文を読んで下さい。
Any apple has a face. 「どのリンゴも顔を持っている。」
Any of the apples has a face. 「どのリンゴも顔を持っている。」
不定代名詞「any」も同じような意味になりますが、anyを使った場合は「どれを選択しても顔」、「どれを取っても顔」ようなニュアンスになります。⇒「anyとは」
every「すべての~」との違い
以下の英文を読んで下さい。
Every apple has a face. 「すべてのリンゴは顔を持っている。」
eachと同じような意味になりました。
個々の物体に着目し単数形を用いるという点ではeachと同じですが、everyは全体をイメージしながら個々の物体に着目するという点が異なります。なお、everyは形容詞用法しかありません。
every monthを使った例文で「全体をイメージ」を感じてみましょう。以下の英文を読んで下さい。
An apple party is held every month. 「アップルパーティーが毎月開催される。」
半年や1年などのある程度長い期間のイメージ(全体イメージ)を意識しながら、毎月パーティーが開催されることを表現しています。
eachは2個以上の集合に対して使い、everyは3個以上の集合に対して使います。確かに、日本語でも2個しかないものに「すべての~」というのはいささか大げさのような気がします。